文筆家の北原みのり氏は、日本男子はもっと女性を褒めるべきと主張する。そのわけは?

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 久々に会った女友だちが、めちゃくちゃ美人になってた。聞けば離婚したのだという。しかも新しい出会いがあったのだという。

結婚生活は我慢するものだと思ってた。みんな、結婚は忍耐だって言うしさ。我慢できない自分がおかしいのかな……って」

 冷えきった関係、彼女の言葉を無視する夫、口を開けばイヤミや用件。笑いも潤いもない日々に耐えられなくなり夫に関係修復を提案したところ、「俺は気にならないけど」と言われたそうだ。っていうか、お前が気にならないって話じゃねぇんだよっ! 私がつらいっ! って言ってるんだよっ! の言葉をのみ込み、彼女は10年間の結婚生活に幕を閉じた。

 で! 別れがあれば出会いがあるのだ。なんと数カ月後に彼女は仕事で出会ったフランス人男性と恋に落ち、1年ほど前から一緒に暮らしているという。しかも彼と出会ってから、自分でも実感するくらい、キレイになったのだと笑う。

「昔は夫を怒らせないように、気をつかってた。男はプライドが高いから、まず褒めなくちゃって」

 ところが、今の彼は、彼女にそんなことを考えさせる隙を全く与えないという。毎日のようにたくさん会話し、毎日のように「キレイだね、本当にあなたは美しいね」って褒めてくれ、毎日ハグし、毎日僕はしあわせだって言うんだって!

「あの人たち、女をまず褒めるのよね。しかも女は威張れば威張るほど、もてる。笑ってるより、ツンツンしてる女のほうがもてるよ。みのりちゃんは、フランスだったら天下取れるよ」

 というわけで、私もいつかフランスに行って天下を取る! と人生の目標ができました。

 それにしても、日本の男はあまりにも女を褒めないっ! 「男のプライドを傷つけるな、褒めろ」とは、女によく言われることだけど、「女のプライド」を気にかけ、女を日常的に褒め、意見を言い威張る女を尊重するような日本男子、どのくらいいるだろうか。

 夫に何年も褒められていない妻たち、「褒め」を要求するべきだと思います。夫が応えないなら、一緒にフランスに行きましょう!

週刊朝日  2014年5月2日号

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北原みのり

北原みのり

北原みのり(きたはら・みのり)/1970年生まれ。女性のためのセクシュアルグッズショップ「ラブピースクラブ」、シスターフッド出版社「アジュマブックス」の代表

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