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 現行課程を学んだ「ゆとり世代」最後の学年が受験する14年入試。予備校の情報分析担当のプロ4人は、来年から入試が変わることを懸念した弱き傾向にあるというが、東大など難関国立大学の志望状況はどうだろうか。

 受験生の安全志向で、「難関国立大は敬遠」「止まらない東大離れ」と4人は異口同音にいう。東大と京大の出願者数の推移(前期のみ)を見ると、昨年入試まで京大は理系が増え、文系の減少もそれほど大きくはない。これに対して東大は、文系も理系も志願者の減少傾向が著しい。

 駿台予備学校情報センターセンター長の石原賢一さんは、11月に実施した第2回東大入試実戦模試の結果を踏まえ、14年の東大入試の傾向を予測する。

「模試では、13年に門前払いがなかった文Iの志願者数は指数96とやや減少。文IIの志願者数も10%以上減少で、両科類ともに門前払いがない可能性があります。文Ⅲは指数87と大きな減少が見られるうえ、成績レベルもダウン。13年入試で志願者数が大幅増加した反動も考えられるため、センター試験後に文I、文IIからの流入があるとしても、難化傾向はなさそうです」

 理系では、理Iと理IIIはやや減少、理IIは指数94と目立って減少傾向だという。

「理IIは13年に大きく志願者数が減少した反動は見られません。ただし、成績レベルはアップしているため、注意が必要です。医学科と迷っている層も多いため、センター試験後の自己採点集計での動向にも注意してほしい。理IIIは10年以降、増減を繰り返しており、14年は減少する年度ですが、例年どおりの超ハイレベルな入試になるでしょう」(石原さん)

 私大の志望状況はどうか。難関の国公立大が敬遠されるのと同じで、早慶などの難関私立も安全志向で敬遠されるというのが、4人の一致した見解だ。

「東京離れ、地元志向が強いです。たとえばかつての早稲田大は全国から受験生が集まっていましたが、現在は地方の生徒が志望しなくなっています。特に、西日本の志願者は激減しています」(河合塾教育研究開発本部教育情報部部長の近藤治さん)

 代々木ゼミナール入試情報センター統括本部長の坂口幸世(ゆきとし)さんは、14年入試の受験人口は減るが、安全志向で併願が増え、私大の延べ受験者数は減らないと予想する。

「07年に明治大が全学部統一入試を始め、10年から志願者数が日本一になりました。14年は日本大が従来の入試の前の2月1日に9学部の統一入試を実施します。同じ日に入試を行う専修大や大東文化大は狙い目になるかもしれません」

週刊朝日 2013年12月20日号