お勉強系の習い事で、「年収1千万円以上」の人と「未満」の人に差がつくのは、ある意味、予想通りだろう。一方、スポーツ系の習い事の中で差が顕著だったのは、「剣道」(その差56.7ポイント)と「野球」(21.7ポイント)。あまり差がつかなかった「スイミング」と比べ、対戦型であり、泥や汗にまみれる「泥臭い」競技という特徴があった。さらに、野球はチームワーク力と犠牲の精神、剣道では他人を尊重する礼の精神が磨かれるなど、社会人としての成功に必須な「コミュニケーション力」の向上にも役立つのかもしれない。
しかし一方で東京大学の小林寛道・名誉教授(発育発達学)はこう話す。
「これをやればお金持ちになれる、成功するという習い事はない。ただ、どんな習い事でもいいから、しっかり続けられたということは、その後の人生のプラスになるのは間違いない」
※AERA 2012年10月29日号