橋下代表、松野頼久国会議員団代表(写真左)、松浪氏(同右)ら維新の面々は、自民党の菅幹事長代行のてのひらの上で踊らされている? (c)朝日新聞社@@写禁
橋下代表、松野頼久国会議員団代表(写真左)、松浪氏(同右)ら維新の面々は、自民党の菅幹事長代行のてのひらの上で踊らされている? (c)朝日新聞社@@写禁

“橋下独裁”に対し、維新の国会議員団幹事長になった松浪健太衆院議員(41・元自民党比例近畿)が起こした“乱”。きっかけは、9月23日に行われた第2回公開討論会で橋下徹氏が突如、竹島の日韓共同管理構想をぶち上げたことだ。松浪氏は「橋下独裁にはしない」と題した自身のブログで強気にこう綴った。

《外交・安全保障に関してはまず、国会議員団で議論すべきことを確認した。よほどのことがない限り、国政における決定は議員団ですべきことを橋下代表も認めた》(9月25日)

 このブログが波紋を呼ぶと、朝日新聞記者らに感想を聞かれた橋下氏は10月1日、憮然とした表情で、「松浪議員だって、日本維新の会に所属しなければ、こうやって天下の朝日新聞にブログのチェックなんかされなかったんですから」と切り捨てたうえで、さらにこう突き放した。

「国会議員団の戦略で有権者が本当についてきてくれるということであれば、日本維新の会に所属しなくてもいいんじゃないですか? 今の国会議員団よりも僕のほうがたけていますよ」

 この一撃に慌てた松浪氏は翌2日、自身のブログでこう弁解した。《橋下代表も売り言葉に買い言葉で答えざるをえないと思うが、マッチポンプな報道はやりきれない》

 その後、朝日新聞や日経新聞など各社が維新の内紛を相次いで記事化。松浪氏が白旗を揚げて、乱はあえなく幕引きとなった。

 橋下氏は6日に開かれた維新全体会議で、「党内に対立はない」とイメージの払拭に努めたが、大阪維新の会に所属する議員は“松浪の乱”の裏に自民党の影がみえる、と危惧する。「あえてブログで書いたのは、パフォーマンスやわな。古巣の自民党大阪府連から選挙目当てで維新にすり寄ったとバッシングされているんで、弁解したかったんやろう。彼は安倍(晋三・自民党)総裁の懐刀の菅(義偉・幹事長代行)さんの腰巾着で、松井(一郎・大阪府知事)幹事長が安倍、菅ら大物を維新へ一本釣りしようとしたときの使い走り。選挙が済めば裏切りかねないと橋下さんは警戒しているようや」。

週刊朝日 2012年10月19日号