相互直通運転で、うっかりかけたままの傘は電車に乗って遠くまで行ってしまう可能性も(写真はイメージ)
相互直通運転で、うっかりかけたままの傘は電車に乗って遠くまで行ってしまう可能性も(写真はイメージ)
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 普段何気なく利用している電車内で、忘れ物をした経験は誰しも1度や2度はあるだろう。それは荷棚に載せたカバンかもしれないし、座席から伸びる握り棒にかけていた傘かもしれない。そうした時は、どのように対処すればよいのだろうか? 実は、今や問い合わせ先は1社では済まないケースが増えているのである。

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■忘れ物はまず集約駅へ。特定困難な傘・カギ・電子タバコは要注意

 忘れ物がどのようなルートをたどって保管されるのか、JR東日本を例に見てみよう。

 列車内の忘れ物は、まず駅に届けられる。乗客からの問い合わせに迅速に応えるため、駅では忘れ物の種類、形状、色、拾得した場所(列車)などの情報をデータ化してシステムに登録する。その後、忘れ物に対応する集約駅(その地域の拠点駅であることが多い)に運ばれ、駅での保管時期(おおむね1~2週間)が過ぎれば遺失物法に基づき、集約駅から警察署などへ移送される。

 遺失物は各駅によって保管期間が異なるため、列車内や駅で物をなくしたことが分かった場合は、最寄りの駅あるいは「JR東日本お問い合わせセンター」(6~24時)に問い合わせる必要がある。

 落とし物について尋ねる際には日時、利用している路線・駅、忘れたと思われる場所など忘れた時の状況と、携帯電話・カバン・財布・定期券であるかなど遺失物の内容を伝えると、駅員や案内係がスムーズにシステムから検索できる。種類が多い場合は特徴を聞かれることも多い。特定が難しいものの代表は傘・カギ類・電子たばこなどである。

 これら遺失物については、JR東日本WEBに詳しく掲載されているので、ご一読いただきたい。

 JR東海(「お忘れ物案内」8~21時)や京浜急行電鉄(「京急ご案内センター」9~19時[土休日は17時まで])など、ほかのJR・私鉄でも手続きの流れはほぼ同じである。日ごろ使用する路線の鉄道会社のホームページを確認しておくといいだろう。

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相互直通運転で忘れ物の問い合わせ先は複数に