芸能人の薬物問題や不倫が盛んに報じられるが、この2つの問題には共通点があるという。カップルカウンセラーの西澤寿樹さんが夫婦間で起きがちな問題を紐解く本連載、今回は「非難と反省の効果」について解説する。
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シンガー・ソングライターの槇原敬之さんが、覚醒剤取締法違反(所持)などの疑いで逮捕されました。槇原さんは過去にも逮捕歴があり、その前に逮捕された沢尻エリカさんは公判で「やめなきゃと思っていたけどやめられなかった」と供述したと伝えられています。田代まさしさんに至っては、薬物中毒者の支援施設で活動していても、自分は薬物と手を切れなかったようです。
もちろん、何かのきっかけで薬物から足を洗って更生している人も多数いるはずですが、薬物犯罪の再犯率は65%(特に50歳以上では80%を超えるという数字もあります)と高く、一般論でいえば抜け出すのが難しいのです。薬物そのものの依存性に加え、ある研究によれば、女性の覚せい剤事犯者は共犯者がいると再犯率が高いとされ、使用動機は、男性は「快感を得るため」が最も多く、女性では「嫌なことを忘れるため」が最も多いそうです。
これって、不倫の構図に似ている気がします。もちろん、不倫は民法的に違法、麻薬・覚せい剤は刑法的に違法であり社会的な許容度は異なりますが、背徳的ではあるけど、どこか魅惑的で生物的な興奮や快感を得られるという点が似ているように思います。同じ構図で薬物の研究が援用できるのだとしたら、不倫は必ず「共犯者」がいるので抜け出しにくいとも予想されます。
困惑した表情でおいでになったのは、ベンチャー企業経営者の彰さん(仮名、40代前半)と妻の直美さん(仮名、専業主婦、30代後半)です。お話によると、彰さんは部下の女性との不倫が発覚しました。
直美さんによると、以前から怪しいことは結構あったけど、「信じなきゃ」と思って信じてきたのだそうですが、3年前のある日、決定的なことがわかってしまいました。家族旅行で行きたいと思って何の気なしに検索して読んでいた海外のリゾートホテルに、夫のGoogleアカウントで評価と口コミが書かれていたのです。その内容はホテルの対応が悪く彼女を怒らせてしまったという内容でした。