それから、院内感染が起きているかどうかは、発熱のオンセット(事象の起こる日時と温度)をちゃんと記録して、それからカーブを作っていくという統計手法「epi-curve(エピカーブ)」というのがあるんですけど、そのデータは全然取ってないということを、今日教えてもらいました。
検査をした、PCR検査をした日をカウントしても、感染の状態は分からないわけです。このことも実は厚労省の方にすでに申し上げてたんですけど。何日も前に。全然されていないということで、ようは院内の感染がどんどん起きてても、それにまったく気付かなければ、気付いてもいないわけで、対応すらできない。で、専門家もいないと。グチャグチャな状態になったままでいるわけです。
このことを日本のみなさん、あるいは世界の皆さんがを知らぬままになっていて。特に外国のみなさんはそうやって、かえって悪いマネジメントでずっとクルーズの中で感染のリスクに耐えなきゃいけなかったということですね。
やはり、これは日本の失敗なわけですけど、それを隠すともっと失敗なわけです。
たしかに「マズイ対応であるということがバレる」というのはそれは恥ずかしいことかもしれないですけど、これを隠蔽すると、もっと恥ずかしいわけです。やはり情報公開は大事なんですね。誰も情報公開しない以上は、ここでやるしかないわけです。
ぜひこの悲惨な現実を知っていただきたいということと、ダイヤモンド・プリンセスの中の方々、それからDMATやDPAT(災害派遣精神医療チーム)や厚労省の方々がですね、あるいは検疫所の方がもっとちゃんとプロフェッショナルなプロテクションを受けて、安全に仕事ができるように。彼ら、本当にお気の毒でした。
ということで、「まったく役に立てなくて非常に申しわけない」という思いと、この大きな問題意識をみなさんと共有したくて、この動画を上げさせていただきました。
岩田健太郎でした。
(AERA dot.取材班)