いよいよ今年もJリーグのシーズンが到来。J1は2月21日からスタートし、各々の目標に向かってひた走る長丁場の戦いが続く。昨シーズンは横浜F・マリノスが15年ぶりのリーグ制覇を果たしたが、オフには新たなシーズンに向けて各チームが動き、勢力図も変化した。そこで今回はJ1全クラブのオフシーズンの選手補強を査定(良い方からA・B・C・D・Eの五段階)し、3日間にわけて紹介する。
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■札幌 C
新加入選手はU-23日本代表の田中駿汰ら大卒ルーキーの3人に加えてFWドウグラス・オリベイラ(←ルヴェルデンセ)とタイ代表GKのタンマサッチャーナン(←OHルーヴェン)をいずれも期限付きで獲得したのみ。一方で湘南に期限付きで移籍した岩崎悠人をのぞく全員がチームに残り、完全な継続路線でチームを成熟させる方針に他ならない。海外移籍の噂もあったタイ代表チャナティップの残留は大型補強にも等しい。
“ミシャ”ことミハイロ・ペトロヴィッチ監督も、昨年のルヴァン杯決勝で川崎に惜しくも敗れて優勝を逃した後の会見で、チームが若く、まだまだ成長の余地があることを指摘していた。チームとしての戦術的な上積みはもちろん、24~26歳が主力の大半を占める選手たちが、個人としても成長を示せるかどうかに上位進出はかかっている。
キーマンは大卒ナンバー1との呼び声もある田中駿汰で、ボランチもセンターバックもできる長身のタレントをどう起用するか注目だ。
■仙台 D
木山隆之監督の就任1年目となるが、いきなり補強の目玉であるイサック・クエンカが右膝を手術し、スペインに帰国して治療する事態となった。J2山形では3バックをベースにチームを作ってきた指揮官は、4バックをテストしていた様子だ。
しかし、サイドアタックのキーマンだったクエンカの離脱で、石原崇兆やベテランの関口訓充など、従来の戦力が奮起しないと厳しい。キーマンは右サイドハーフの主力として本格的なブレイクが期待される加入2年目の道渕諒平。ドリブル、クロス、シュートと一級品なだけに、得点数に加えてアシストも増やしたい。
昨シーズンのアシスト王だった永戸勝也が鹿島に移籍した左サイドには元U-20ブラジル代表の攻撃的サイドバックであるパラ(←ボタフォゴ)を獲得しており、早期にフィットできれば大きな不安要素にはならないだろう。
FWは新外国人のアレクサンドレ・ゲデス(←ヴィトーリアSC)を軸にジャーメイン良、C大阪から期限付きで加入の山田寛人などポテンシャルのあるタレントは揃うが、チーム得点王が7得点の長沢駿だった2019年からFW陣の得点が大幅に増えないと上位は望めない。