2010年ドラフト組の柳田悠岐、千賀滉大はそれぞれソフトバンクの大黒柱へと成長した (c)朝日新聞社
2010年ドラフト組の柳田悠岐、千賀滉大はそれぞれソフトバンクの大黒柱へと成長した (c)朝日新聞社
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 いよいよプロ野球もキャンプイン。そして今年からは2020年代に突入することになった。そこで今回は過去10年間のドラフト会議の結果を振り返り、球団ごとに最も当たりとなった年を選んでみたいと思う。ちなみに昨年(2019年)の指名についてはまだ結果が分かるのがこれからということで除外した。今回はパ・リーグ6球団についてお届けする。

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■西武:2013年
・主な指名選手:森友哉(1位)、山川穂高(2位)、岡田雅利(6位)

 強力打線でリーグ二連覇を果たし、逆に投手陣が課題と言われる西武だが、過去10年間のドラフトを振り返ってみると野手の上位(1位・2位)指名はわずか三人しかいない。そして、そのうちの二人がこの年の森と山川で、ともにタイトルホルダーに成長した。この年は高校生なら松井裕樹(桐光学園→楽天1位)、大学生なら大瀬良大地(九州共立大→広島1位)が目玉だったが、思い切って森を指名したことが完全に吉と出ている。山川の2位は正直なところ順位が高いと感じたが、チームカラーにもマッチしたことは大きかっただろう。野手が手薄になっている現在、再びこのような指名が待たれるところだ。

■ソフトバンク:2010年
・主な指名選手:柳田悠岐(2位)、千賀滉大(育成4位)、牧原大成(育成5位)、甲斐拓也(育成6位)

 過去10年の指名を見ると意外に1位の選手が故障などで伸び悩んでいるケースが目立つが、それを補っているのが育成出身の選手達だ。そしてその代表例がこの年の指名と言えるだろう。1位指名の山下斐紹は既にトレードで移籍しているが、育成最下位の甲斐が侍ジャパンに選出されるまでに成長。そして千賀は球界のエースとなった。また柳田も入団当時は全国的には無名の選手だったが、チームの大看板となっている。当初は秋山翔吾(八戸大→西武3位)を指名する予定だったところを、王貞治会長の(候補の中で)「誰が一番飛ばすんだ?」という問いから方針転換したという話は有名だ。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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