ロンドン五輪が終わってはや1カ月。メダリストによるパレードや母校への凱旋訪問が行なわれたり、9月9日に閉幕したパラリンピックでも日本人選手が活躍したりと、まだまだ余韻は冷めない。

 日本は五輪でのメダル総獲得数が史上最高の38個と、メダルラッシュに湧いた。中でも注目を集めたのが、なでしこJAPANをはじめとする女子勢の活躍だ。

 五輪3連覇を成し遂げたレスリングの吉田沙保里や伊調馨選手、バドミントン史上、日本初のメダルを獲得した藤井・垣岩ペア、さらには重量挙げの三宅宏実選手など、海外選手に比べて小さい身体でも気後れすることなく懸命に戦う彼女たちの姿は、日本国中を熱狂させた。

 なかには、彼女たちの美しさ・かわいさに心奪われた人も多いのではないだろうか。そんな日本人女性のこだわりが世界一の分野がもう一つある。それは、肌へのこだわり。

 実は、日本はスキンケア化粧品の売り上げが世界一だ(出典:Euromonitor社2011年国別市場規模)。日本女性の理想は一点の曇りもない「ゆでたまご肌」。"毛穴""シミ"という小さな存在も見逃さず、細部まで美を追求し、丹念にお手入れするのが日本人女性の特徴だ。

「実は、世界で最も早くスキンケアが庶民の間に浸透したのは日本なんです。江戸時代に銭湯が社交場として広がると"湯上りの素肌"が美しさの象徴となり、それが粋とされました」と資生堂の美容情報誌『Beauty Book』編集長の石川由紀子さん。また、同社スキンケア研究開発センターの河合江理子さんも「日本語には"肌が合う""ひと肌脱ぐ""職人肌"など、肌を用いた言葉がたくさん存在します。これらは人の気質まで含めた表現であり、肌をその人自身を表す"特別なもの"と、とらえているのだと思います」と話す。

 日本人女性が肌のお手入れに熱心な気質は"自分磨き"に通じているともいえる。それは、より高みを目指す日本女性アスリートが、世界で活躍していることと無関係でないのかもしれない。

※「Beauty Book」は資生堂化粧品を扱っているドラッグストア、スーパーなどで無料配布しています(一部店舗除く)。

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