原因は、細菌や寄生虫、ウイルスといった病原菌に汚染された水や食べ物を摂取することによる経口感染です。病原体の約80%を細菌が占め、寄生虫は約10%、ウイルスは5~10%程度であると言われており、細菌の中では病原性大腸菌が最も多く、他にカンピロバクターやサルモネラ、腸炎ビブリオ、赤痢菌などが原因となります。ウイルスではノロウイルスやロタウイルスが、寄生虫ではアメーバ赤痢やランブル鞭毛虫などが検出されています。
せっかくの楽しい海外旅行を旅行者下痢症に見舞われて台無しにしないためには、病原菌に汚染された水や食べ物を食べないようにすることが大切です。徹底した手洗い、飲用水やうがい・歯磨きの際に使用する水はペットボトルの水か沸騰させた水を使用する、そして、加熱されたものだけを食べることが予防対策として重要になります。
例えば、サラダやカットされたフルーツ、水道水や氷、フレッシュジュース、屋台の食べ物などは危険です。日本国内であれば、生野菜や刺身を食べても、水道水を飲んでも基本的に下痢になることはほとんどありません。けれども、一歩、国の外に出れば、そんなことはないのです。
というのも、日本をはじめとする先進国は、冷蔵や冷凍による輸送が徹底されています。しかしながら、それ以外の国では常温で運ばれることも多く、その際に細菌が繁殖してしまいます。また、人糞を使用した野菜栽培の場合、寄生虫に汚染されていることも少なくありませんし、室温で長時間置かれた作り置きの料理も、危険と言わざるを得ないのです。
今回の年末年始を思い起こせば、地元の人からオススメだと言われたレストランに行っては、氷入りのしぼりたての果物ジュースを飲んだり、付け合わせの生野菜を食べてしまったりと、危険な食べ方をしてしまっていたので、当然のごとく、「旅行者下痢症」に見舞われたのでした。
とはいえ、旅先で下痢になってしまうには、とても辛いもの。頼れる人がいなかった私は、早く治ってくれと祈るしかありませんでした。