徳本監督はこう話している。
「大学からは『1年でも早く箱根に出てほしい』と言われてます。初めは『5年を節目に』と言われたけど、『5年を目指しますけど、10年かかると思いますよ』と伝えてあります。箱根常連校の選手とはスタートラインが違うわけですから、育てるにも限界はあります。それでもいままで(5000メートル)15分だったのが14分40秒と、ようやく入ってくる選手のレベルも上がってきました。『箱根駅伝出場』という大学からの指令がある以上、そこにたどり着かないといけない。どうアプローチするかをいまやってて、徐々にその成果は出てると思うんですよね」(大学スポーツ情報ウェブサイト「4years.」2019年10月24日)
原動力は、ケニアからの留学生ブヌカ・ジェームス・ナディワ(2年)である。5月の関東インカレ男子1部5000メートルと10000メートルで優勝している。彼を中心にチーム全体がどこまでレベルアップできるかがカギとなる。徳本監督は、法政大時代に箱根駅伝を経験している。
箱根初出場をめざして陸上部を強化する大学が増えた。予選会上位30校のうち本大会初出場をねらう大学は、麗澤大、駿河台大のほかに、流通経済大、東京経済大、武蔵野学院大、明治学院大、日本薬科大、桜美林大、育英大がある。多くがスポーツ推薦入学制度を充実させ、有望な学生が入学している。
これらの大学の駅伝指導者は、すべて箱根駅伝出場者である。
19位の流通経済大陸上競技部の大胡満慎駅伝監督は筑波大出身。それゆえ筑波大と合同合宿をすることがある。
20位東京経済大陸上競技部駅伝ブロックの池谷寛之監督は大東文化大出身である。
21位武蔵野学院大陸上競技部の笠間三四郎監督は日本大出身。武蔵野学院大は2004年の開学でまだ新しい。
24位明治学院大の陸上競技部(長距離ブロック)で指導する棚瀬亮治ヘッドーコーチは、東京農業大時代に箱根を走った。2005年、大学は「明学スポーツを強くするプロジェクト」を立ち上げた。現在、陸上競技部(長距離ブロック)は同プロジェクトの対象となっており、「指定校推薦【スポーツ】制度」がある。前回大会では、初めて関東学生連合に選手が選ばれている。都内、神奈川県内のキャンパスは箱根駅伝コースがすぐ近くにあり、初出場への期待を寄せている。