ハチローさん、大変ですね。その後、息子さんの様子はどうですか?
まず、質問ですが、ハチローさんと息子さんの関係はどうですか? ちゃんとなんでも話してくれる関係ですか?
それとも、思春期によくある「親をなんとなくうとんじる」関係ですか?
それによって、解決へのアプローチは変わってくると思っています。
もし、わりと友好な関係で、なんでもフランクに話せるのなら、率直に「いじめについて話したいんだけど」と声をかけることから始めるのがいいと思います。
奥さんが心配するように、いじめはよくないと説教するのではなく、「どんなふうにいじめているのか」「それをどう思っているのか」をニュートラルに聞くのです。
親をうっとうしいと思っていたら、「どう思ってる?」と聞くだけで、説教だと思われて反発するでしょう。
お互いの関係が良好なら、焦らず、ゆっくりと「いじめていること」について、話し合うのです。
息子さんはどんなふうにいじめに加担しているのか。どんな気持ちなのか。いじめる快感を持っているのか、深く考えないでいじめているのか、自分がいじめられないためにしょうがなくいじめているのか。
それでね、ハチローさん。ここから、長く険しい闘いが始まります。
あまりに困難で、あまりにエネルギーが求められるので、歩くことが本当に苦しい道です。
でも、その道を歩く理由があります。
それは、ひとつは、「息子さんがいじめに加わっていることに苦しんでいる場合」です。本当はいじめたくないのに、仲間外れになりたくないから、自分がいじめられたくないから、心を殺していじめているのなら、親は助けるべきです。中二ですから14歳ぐらいでしょうか。そんな若く柔軟な魂を傷つけてはいけないのです。
もうひとつの場合があります。それは、息子さんから「どんなふうにいじめているか」を聞けたとして、ハチローさんが「それはひどい」と思っているのに、「息子さんがたいして気にしてない場合」です。