巨人はやっぱり『原』でしょう (c)朝日新聞社
巨人はやっぱり『原』でしょう (c)朝日新聞社
この記事の写真をすべて見る

 先日、2019年の「今年の漢字」が発表され、「令」に決まった。だが、プロ野球の各球団にとっては、それぞれが違う一文字が相応しいだろう。長かったペナントレースを総括し、セ・パ12球団別に、やや強引にでも「今年の漢字」を決めてみたい。

【写真】「平成で最もカッコいいバッティングフォーム」はこの選手!

■巨人 『原』

 坂本勇人丸佳浩を中心とした新打線が機能して5年ぶりのV奪回を果たした。若手の台頭とベテランの奮起による伸び伸び野球が目立ち、改めて4年ぶりに復帰した原辰徳監督の手腕を思い知らされる形となった。優勝直後に男泣きした指揮官は「固定観念というものを捨てて、どうやったら強くなるか。初心からというつもり」と説明。原監督に導かれた、原点回帰のV奪回だった。

■DeNA 『昇』

 徐々に調子を上げた中、7月に15勝8敗1分けと白星を先行させ、一時は首位に0.5ゲーム差にまで上昇。最終的に昨季の4位から2位にまで順位を上げた。そして、投手陣の中で孤軍奮闘したのが、エースの今永昇太で、自身2年ぶりの2ケタとなる13勝を挙げてAクラス入りに大きく貢献した。その今永はオフの契約更改で6700万円から球団左腕史上最高額となる1億3600万円の大幅昇給となった。

■阪神 『光』

 矢野燿大新監督とともに新たなスタートを切った2019年。開幕から不安定な戦いが続いたが、シーズン最終盤に6連勝を飾って奇跡の逆転CS進出。最後の最後で光を放った。打線がリーグ4位とチーム打率.251と苦しんだが、その中でルーキーの近本光司が脚光を浴び、自慢の俊足でリーグ最多の36盗塁を決めるとともにセ・リーグ新人最多の159安打をマーク。来季以降の光明が見えたシーズンだった。

■広島 『転』

 リーグ3連覇の黄金期から一転、今季は大型連勝しても大型連敗を喫する不安定な戦い。打線では鈴木誠也が奮闘したが、FA流出した丸佳浩の穴を埋められず、田中広輔が極度の不振。自慢のリリーフ陣も崩れて多くの逆転負けを喫し、3年連続の王者の座から4位に転落した。その結果、緒方孝市監督が辞任し、佐々岡真司新監督が就任した。

次のページ
中日とヤクルトは…