九州地区では、春夏の甲子園を制した津久見(大分)が、川崎憲次郎を擁して春夏連続ベスト8の88年を最後に出場が途絶えている。来春のセンバツ出場が確実視されるライバル・大分商に続く復活が望まれる。90、91年夏に連続準Vの沖縄水産も、新垣渚がエースだった98年夏が最後の出場。裁弘義監督の前任校・豊見城も3年連続8強の78年夏を最後に“長い冬”が続いている。47、48年に夏連覇の小倉、88年夏準Vの福岡第一(今秋の県大会で優勝)の福岡勢に加え、オリックス・山本由伸の母校で、84年春4強の都城(宮崎)も、99年夏以来の朗報を期待したい。

 番外編として、最後の甲子園出場は10年前の09年夏だが、16年夏を最後に休部となったPL学園も忘れるわけにいかない。11月9日に行われた「マスターズ甲子園2019」では、背番号1をつけた桑田真澄OB会長がPLのエースとして登板し、アルプススタンドに名物の人文字も復活。全盛期を彷彿とさせる光景に、野球部の復活を望む声が一段と高まった。甲子園で応援曲の「ヴィクトリー」や「ウイニング」をまた聴ける日が来るのが待ち遠しい。(文・久保田龍雄)

●プロフィール
久保田龍雄
1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。最新刊は電子書籍プロ野球B級ニュース事件簿2019」(野球文明叢書)。

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