“スマイル・シンデレラ”として熱狂を生んだ渋野日向子(C)朝日新聞社
“スマイル・シンデレラ”として熱狂を生んだ渋野日向子(C)朝日新聞社
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 渋野日向子(RSK山陽放送)の激動のシーズンが終わった。

【渋野と同じ1998年生まれ。美貌が際立つ臼井麗香プロ】

 最後の最後まで日本女子ゴルフ界の中心にいた。ツアー最終戦のLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ、最終日の12月1日まで渋野は賞金女王争いを演じた。

 結果は通算7アンダーで2位タイに終わり、賞金ランク2位でフィニッシュ。5アンダーの5位タイで終えた賞金ランクトップの鈴木愛(セールスフォース)に女王の座を譲った。約757万円の差。急成長を遂げた渋野だが、史上最年少での賞金女王にあと一歩、届かなかった。

 渋野の昨季は獲得賞金0円。そこから今季は賞金約1億5261万円までジャンプアップした。女王になれなかった悔しさより、この1年を走り切った自信がある。「この1年は今まで経験してないことを経験させていただいた。この1年は財産だと思う。これからのゴルフ人生に生かしていけたらいい」。21歳の飾らないコメントだった。

 1大会で人生を大きく変え、“スマイル・シンデレラ”として列島を湧かせた2019年。突如、日本ゴルフ界に現れた超新星はその天真爛漫なキャラクター、突拍子もない言動も相まって一挙手一投足に関心が集まるようになり、その熱狂ぶりは「シブコ・フィーバー」と称されるほどだった。ただ、日本中から注目されることがプレッシャーとなり、悩みを抱えることもあった。

 破竹の勢いを見せた1年を一言で表すなら――。そんな質問にも、渋野の率直な思いがにじむ。

「謎ですね。いろんな意味で謎……」

 時間の針を戻す。無名のゴルファーが、国民的選手へと変貌を遂げた瞬間。それは8月のAIG全英女子オープンだった。5月のサロンパスカップでプロ初V。7月の資生堂アネッサレディースで2勝目を挙げ、賞金ランク5位以内の資格で出場した初の海外試合が全英女子オープンだった。そこで日本男女通じて42年ぶりのメジャー優勝という大偉業を成し遂げた。

 これが全ての始まりだった。

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目標に掲げた2つの公約