47歳の新庄剛志氏が現役復帰を目指して来年のトライアウト受験を宣言。大きな波紋を呼んでいる。清原和博氏は「新庄ですからね。本気なのか。僕もちょっとわからないです」と首を捻り、阪神時代の恩師・野村克也氏は「代表的なアホや」と一刀両断にした。
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そんななか、新庄氏は「(獲得する球団は)お金に困ってるとこじゃないの」という高木豊氏の意見に対し、「客寄せパンダとして合格したんだなくらい自分の動きを見れば馬鹿じゃないからわかる。その時は合格を拒否する」と反論。あくまで本気を強調した。
ファンの間でも「無謀な挑戦」と受け止められる一方、「あの新庄のことだから、ひょっとすると?」と“1パーセントの可能性”実現を期待する声も少なくない。現役時代、卓越した身体能力から数々のスーパープレーを生み出した“宇宙人”が今度は年齢の壁という人間の限界に挑戦するのは、見ものでもある。そこで、ここでは新庄氏が現役時代に見せた身体能力にまつわるエピソードを振り返ってみよう。
投手・新庄が初めて実戦のマウンドに上がったのは、阪神時代の1999年3月5日のオープン戦、巨人戦(藤崎台)。
4回裏、先発・川尻哲郎に代わってマウンドに上がると、先頭の元木大介をストレートで詰まらせて二飛、二岡智宏を遊ゴロ、後藤孝志を中飛と3者凡退に切って取った。18球中16球までがストレートで、最速は143キロ。元木は「素晴らしい投手ですね。シーズン中は対戦したくないですね」と賛辞を贈った。
だが、2日前に左膝痛が再発して全力投球できなかった新庄は「向こうが打ち損じたんでしょ。球速? あんなもんでしょ。遅かったと思う」と次戦でのリベンジを期す。
それから約半月後、同21日のダイエー戦(福岡ドーム)で2度目の登板が実現。8回からマウンドに上がった新庄は、いきなり松中信彦に右越え本塁打を浴びたものの、フォークで本間満から初三振を奪うなど、後続3人をピシャリ。最速も145キロと前回を上回った。