日本ハムの金子弌大(C)朝日新聞社
日本ハムの金子弌大(C)朝日新聞社

 プロ野球の年間表彰式「NPB AWARDS」が11月26日に開催される。だが、そこで表彰される選手たちだけでなく、各球団には縁の下の力持ちとしてチームを支えた男たちもいる。そこでパ・リーグ6球団において渋い活躍をした「影のMVP」を選出したい。

 リーグ連覇を果たした西武では、リリーフで奮闘した平井克典を讃えたい。大学、社会人を経てドラフト5位でプロ入りした3年目右腕は今季、開幕から2試合に1度のハイペースでマウンドに上り続け、最終的にパ・リーグ新記録となる計81試合に登板(1.77試合に1度の登板)。イニングまたぎも厭わず、リーグ2位の36ホールドを記録した。

 リーグトップの43ホールドを記録した宮西尚生(日本ハム)の投球回は47回1/3だったが、平井の投球回は82回1/3イニング。夏場以降に失点が増えて最終的な防御率3.50は改善の余地があったが、それもフル稼働した代償。平井がブルペンを支えた功績は大きい。

 下克上で3年連続の日本一に輝いたソフトバンクでは、川島慶三がバイプレイヤーとして存在感を発揮した。スタメン出場17試合、途中出場30試合という中で打率.364をマーク(66打数24安打)。打点は8だったが得点圏打率.333と勝負強く、17四球を選んで出塁率.488を誇った。元々は「守備の人」であり、セカンドを中心に一塁や外野もこなし、日本シリーズでも第3戦で華麗な守備で相手の勢いを止める好プレーを披露。この男がベンチにいることは非常に心強かった。

 3位となった楽天では、森原康平の働きを忘れてはならない。伸びのあるストレートと高速フォークを武器にセットアッパーとして活躍し、64試合に登板して4勝2敗29ホールドで防御率1.97の安定感を示した。プロ1年目に42試合に登板したが防御率4.81。2年目の昨季は右肘のクリーニング手術を受けて長期離脱した影響で17試合登板と大きく出番を減らしたが、3年目の今季は見事な活躍を見せた。

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Bクラスチームの“縁の下の力持ち”は?