木下優樹菜の「タピオカ」騒動。彼女が実姉の勤務していたタピオカ店の経営者に恫喝めいたDM(ダイレクトメッセージ)を送っていたという一件は、この人のやんちゃぶりを改めて浮き彫りにした。
「出方次第でこっちも事務所総出でやりますね」「いい年こいたばばあにいちいち言う事じゃないと思うしばかばかしいんだけどさー」「謝るとこ謝るなり、認めるとこ認めて、筋道くらいとおしなよ」などなど、その文面にはヤンキー感が満載。ただ、彼女がこれほどの人気者になれたのも、そのヤンキー感のおかげである。
というのも、芸能界ではいつの時代もヤンキー系の女性アイドルが幅を利かせてきた。古いところでは、三原じゅん子。79年に「3年B組金八先生」でツッパリ役を演じ「顔はやばいよ、ボディやんな」の名台詞でブレイクした。その勢いで歌手デビューして「紅白」出場も果たしたが、87年には写真誌『フライデー』のカメラマンに暴行して逮捕されるという武勇伝も残している。
また「金八」では卒業後、美容師になったが、実人生ではカーレーサーや介護施設経営のあと、政界に進出。いまや安倍晋三首相とともに政見放送をやるほどの大物だ。彼女は横浜銀蝿とも組んだりしたが、嶋大輔が挫折したのとは対照的に、堂々たるセンセイぶりである。
■最強のヤンキーアイドル工藤静香
そんなヤンキー系女性アイドルの定義はいろいろあるが、何よりわかりやすいのは「ヤンキーにモテる」ということ。そういう意味で、史上最強の存在は工藤静香だろう。テレビでは、コンサート先でのこんなエピソードも披露した。
「暴走族と暴走族が、どちらが私の車を駅まで先導するかでケンカになったんです。途中でチェーンとか出てきちゃって『これは止めなきゃ!』と思ったから、窓を開けて『ダメよ~』って言ったんですけど、事務所の社長に止められました(笑)」
そういう工藤自身、ヤンキーが好きだ。浮名を流した相手も、諸星和己にYOSHIKIだし、結婚した木村拓哉も系列としてはそれっぽい。また、ジャニーズの壁を「でき婚」で突破したあとは、家族思いで料理上手な持ち味を活かして、夫のやんちゃを抑え込んできた。SMAPの解散騒動では夫の独立を思いとどまらせたとされる。
これは彼女がヤンキーというものを熟知しているからだろう。こうして彼女は、最も成功したヤンキー系女性アイドルとなったのである。