ラグビーワールドカップ2019で快進撃を続けていた日本代表だったが、ベスト4進出をかけた戦いでは世界の壁をまざまざと見せつけられる結果となった。
1次リーグで強豪アイルランドとスコットランドを下した日本代表は20日、準々決勝で南アフリカ代表と対戦。前回のイングランド大会では同国代表を相手に「ブライトンの奇跡」と呼ばれる番狂わせを演じたが、その再現はならなかった。
試合は前半こそ、2度のワールドカップ制覇を誇る南アフリカに対し粘り強く戦っていたが、後半は着実にリードを広げられ3-26で敗戦。今大会初のノートライで試合を終えるなど、まだまだ世界のトップとは差があることを痛感させられた。
前回大会の雪辱を、相手国の日本で果たした南アフリカのスポーツメディアsport24は、「スプリングボクス(南アフリカ代表の愛称)がホスト国日本のおとぎ話に終止符を打った」とのタイトルで記事を掲載。
やはり、ラグビー強豪国にとっては前回大会での日本戦は未だに脳裏に焼き付く悔しい敗戦だったようで、記事の冒頭でも「ブライトンの奇跡」について言及。しかし、「日曜の東京での試合は2度の世界王者にとっては、(前回大会よりも)遥かに楽な試合になった」と、南アフリカにとって“因縁の相手”となった日本戦の快勝をこう振り返っていた。
一方で日本代表の今大会での躍進については、「国中を盛り上げ、世界ランキングの6位まで登りつめた活躍はプライドを持って評価することができる。世界のラグビー界で称賛とリスペクトを勝ち取った」と、日本に賛辞を贈ることも忘れていなかった。
ラグビーの母国である英国のメディアBBCスポーツも、かつてイングランド代表でフライハーフを務めたポール・グレーソン氏の声として、日本代表の今大会のパフォーマンスを以下のように評している。
「夢というのはどこかで必ず終わりは来るもの。彼らは国全体を準々決勝まで導いた。彼らのプレーは確実に評価を上げた。なぜならば、メンタルとフィジカルの両面で試合中にできうる全てのことを最大限まで引き出す、独自のラグビーを展開していたから。彼らの試合は見ていて楽しかった」