うつ病を克服し、偏差値29から東大に合格。ベストセラー『偏差値29から東大に合格した私の超独学勉強法』の著者・杉山奈津子さんが、今や5歳児母。日々子育てに奮闘する中で見えてきた“なっちゃん流教育論”をお届けします。
この連載が本になりました。タイトルは『東大ママのラク&サボでも「できる子」になる育児法』です。杉山さん自身が心理カウンセラーとして学んできた学術的根拠も交えつつ語る「私の育児論」を、ぜひご覧ください。
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多くのお母さんたちと話をしていると、「自分の子を『普通』という枠からはみ出さないようにしなくては」と気にかけている親がかなり多いことに気がつきます。
かくいう私も、息子がほかの子より運動ができなかったり、皆がきちんと並んでいるときに一人ふらふらしたりしていると、「大丈夫かな?」と心配になります。発表会で、子どものダンスがやたらみんなとズレているのを見たときも、単にダンスが下手なのか、そもそも覚えられていないのかもと悩み……近くにある体操教室を調べて、「入らせてみたら体幹が鍛えられるかも?」なんて考えたこともありました。
■成長するスピードや個性は、子どもによってバラバラ
子どもは、4月生まれから3月生まれまでの子が、同じ学年に入ります。しかし、小さい頃の体格差はかなり顕著に表れるものです。0歳のときを考えると、クラスの4月生まれの子どもが離乳食をもぐもぐ食べているときに、別の子はミルクがうまく吸えずに30mlを1時間近くかけて飲んでいて、また別の子はおなかの中にいて、まだ生まれてもいない状態だったりするわけです。
そんな子たちが3年後、3歳になったら幼稚園で全員一緒のクラスになって行動するわけですから、違いが生まれないわけがありません。それに、成長するスピードだって、個性だって子どもによってバラバラです。どんな親だって、「うちの子は発育が遅いんじゃないか」「枠からはみだしているんじゃないか?」と不安になるのが普通ではないでしょうか。
生まれ月による差は、小学校の高学年あたりから徐々に埋まってくると聞きます。けれども親の心としては、いつまでも、「子どもが『自分はほかの子より劣っている』とコンプレックスを抱いてしまわないだろうか」と案じてしまうし、「なんとかしてダメなところを直して解決してあげたい」と思ってしまうものです。