強い日差しが照りつける夏は、日焼けが気になります。紫外線は、皮膚にしみ、しわ、たるみを増やし、皮膚がんの原因にもなります。京都大学医学部特定准教授で皮膚科医の大塚篤司医師が、紫外線の危険やそれを防ぐ日焼け止めについて解説します。
* * *
夏は皮膚科の待合室が混雑する季節です。汗をかくことであせもが増えますし、虫にも刺されます。アトピー性皮膚炎は夏に悪化する患者さんが多くいらっしゃいますし、世の中のお父さんたちの水虫が再発します。日焼け対策をせずにプールや海水浴をたっぷり楽しんでしまったため、日焼けの痛みで受診される方もいます。
日焼けがひどくなると、それはもう「やけど」と同じです。
皮膚が真っ赤になり水ぶくれができ、破けてしまうと傷になります。毎年、夏になると海水浴のあとの日焼けが悪化して寝られないと訴える患者さんが何人かいらっしゃいます。
日焼けを起こす原因は、太陽光線の中の紫外線です。紫外線は皮膚がんの原因にもなります。そして、しみやしわの原因にもなります。
太陽光を浴びることが健康によいイメージを持っている方は多いのではないでしょうか。私も小さい頃は、太陽の日にあたり真っ黒になるまで遊ぶのが健康的であると教わってきました。太陽光線はビタミンDの合成に重要であり、ビタミンDが欠乏すると、くる病になります。くる病になると骨が伸びなくなります。そのため、子どもはできるだけ外で遊んで日にあたるのがよいとされてきました。
しかし、ビタミンDの合成を太陽光に頼っていたのは随分と昔の話で、食生活が豊かになった現在は違います。ビタミンDは食事で十分量をとれるようになりました。そうなると、紫外線を積極的に浴びる理由はほとんどなくなり、むしろできるだけ避けたほうがよいことがわかります。
紫外線を予防することがいかに大事か、論文をもとに解説しましょう。
「New England Journal of Medicine」という世界的に権威のある医学雑誌に掲載された症例です。69歳の男性の顔をご覧ください。(N Engl J Med 2012; 366:e25)
しみ、しわ、たるみを増やす紫外線を防ぐ 皮膚科医がすすめる日焼け止めとは?
現役皮膚科医がつづる “患者さんと一緒に考えたいこと、伝えたいこと”
2019/08/09/ 07:00
この記事の写真をすべて見る
著者プロフィールを見る
あわせて読みたい
あなたへのおすすめ
カテゴリから探す
ニュース
低姿勢で始まった兵庫・斎藤元彦知事の新県政 「職員間の分断」を懸念する声も
dot.
10時間前
教育
光浦靖子、50歳で単身カナダ留学 不安は「飛行機の間くらい」「ゼロ点経験できてよかった」〈酒のツマミになる話きょう出演〉
AERA
8時間前
エンタメ
唯一無二の“鬼”俳優「山田孝之」 民放ドラマに出なくてもカリスマでいられるワケ〈A-Studio+きょう出演〉
dot.
8時間前
スポーツ
松山英樹をまた“勧誘”? 人気面で大苦戦「LIVゴルフ」次なる手は…新リーグの未来はどうなる
dot.
12時間前
ヘルス
「寿命を決める臓器=腎臓」機能低下を示す兆候5つ ダメージを受けてもほとんど症状が表れない
東洋経済オンライン
16時間前
ビジネス
〈見逃し配信〉「下請けでは終わりたくない」町工場で募らせた思い アイリスオーヤマ・大山健太郎会長
AERA
22時間前
ヘルスに関する最新記事
「寿命を決める臓器=腎臓」機能低下を示す兆候5つ ダメージを受けてもほとんど症状が表れない
政治家はなぜ不倫するのか 精神科医・和田秀樹が教える「愛のホルモン」テストステロンとの付き合い方
〈先週に読まれた記事ピックアップ〉高嶋ちさ子の父・弘之さん「ダウン症は個性の一種」「未知子がいたから乗り越えられた」
高嶋ちさ子の父・弘之さん「ダウン症は個性の一種」「未知子がいたから乗り越えられた」
アメリカで【子宮頸がん検診】女医が驚いたこと「早朝受診」「翌日メールで結果」山本佳奈医師