巨人・中島宏之 (c)朝日新聞社
巨人・中島宏之 (c)朝日新聞社

 昨オフ、ストーブリーグを最も賑わせたのは巨人だった。編成トップを兼ねる全権監督として4年ぶりの現場復帰を果たした原辰徳監督の下、総額50億円を超えるとも言われた大型補強を敢行した。では前半戦がまもなく終了する現時点で、その効果はいかほどのものだろうか。

【原巨人の首位快走の原動力になっているのは…】

 新戦力で最も活躍しているのは、FAで広島から加入した丸佳浩で間違いない。開幕戦での4打席4三振スタートも、すぐさま本領を発揮し、5月からは不動の「3番・センター」として存在感を誇示し、その5月には月間打率.357をマーク。7月8日終了時点(以下、文中の今季成績はすべて7月8日終了時点)でリーグ2位の打率.315に加えて15本塁打、48打点。丸が本塁打を放った際、両手を頭の上で合わせて輪を作る「マルポーズ」もすっかり浸透し、チームに一体感を生んでいる。丸の加入、活躍こそが原巨人の首位快走の原動力になっている。

 同じくFAで西武から加入した炭谷銀仁朗も悪くはない。経験豊富なリードで36試合(スタメン28試合)に出場し、打率.235、3本塁打、13打点。人的補償で内海哲也を奪われたことで批判の的にもなったが、その内海は負傷もあってここまで一軍登板なし。“大成功”とは言えないが、現時点で“及第点”の補強ではあるだろう。

 だが、明るく聞いていられるのはここまで。昨季メジャーで20本塁打を放った現役メジャーリーガーとして期待されたビヤヌエバは、4月こそ計5本塁打を放ったが、低打率に悩んで5月に早々と2軍降格。その後、1軍復帰を果たしたが調子はなかなか上向かず、56試合に出場して打率.216、8本塁打、23打点と、「助っ人」としては随分物足りない。新守護神として期待されたクックは、開幕直後こそ順調にセーブを重ねたが、4月17日に3失点炎上した後に右肘の違和感で登録抹消。さらに2軍調整中に左太もも裏を痛めると、ようやく6月19日に1軍復帰したが登板2試合連続で失点し、再降格となった。

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実績十分のベテラン2人も…