まさに完勝だった。現地3月30日のG1ドバイターフ(芝1800m)に堂々の1番人気で出走したアーモンドアイは、好スタートから好位キープの盤石のレース運び。直線で外めに持ち出すと悠々と先頭に立ち、ともに日本から参戦したヴィブロスに1馬身1/4差をつけて海外G1初制覇を飾った。
この勝ちっぷりには海外からも称賛が相次いだ。陣営が秋の仏G1凱旋門賞(芝2400m)を目指していることは広く報じられ、英競馬メディア『Racing Post』は「彼女のファンは10月のパリのホテルの予約確認を始めるよう促されている」との表現で、日本から多くの競馬ファンが凱旋門賞が行われるパリロンシャン競馬場に集うであろうことを予言している。
その凱旋門賞を語るうえで避けて通れないのが、一昨年および昨年の凱旋門賞を連覇し、今年は3連覇を目指しているエネイブルの存在だ。昨年は凱旋門賞に続いて米G1ブリーダーズカップターフも勝ち、史上初めてこの二大レースを同年に制した歴史的名牝のエネイブルとアーモンドアイの対決なるかに、早くも各国メディアが注目している。
香港紙『South China Morning Post』は、凱旋門賞でのアーモンドアイとエネイブルの対戦を歴史的な対決と報じ、日本のスーパースターと欧州の女王の対戦が実現したら最高だと最大限の期待感を示した。
英紙『The Guardian』は、アーモンドアイとエネイブルに加えて昨年の凱旋門賞2着馬シーオブクラスを含めた3頭を「エキサイティングトリオ」と称して特集記事を掲載。3頭が10月第一週の日曜日、つまり10月6日の凱旋門賞で揃い踏みすれば、前人未到の3連覇がかかるエネイブルと日本馬初の凱旋門賞制覇を狙うアーモンドアイは歴史に名を刻もうとし、シーオブクラスはそんな両馬の夢を砕かんとするだろうと伝えた。
凱旋門賞の前売りオッズは、あるブックメーカーではエネイブルが4.5倍、シーオブクラスが6倍、アーモンドアイが7倍。別のブックメーカーでもエネイブルが5倍でアーモンドアイが6倍と、いずれもアーモンドアイは人気を集めている。今後はクラシックを控える3歳勢から強力なライバルが出現することもあり得るが、現時点ではこの3頭が凱旋門賞で人気と話題の的になっているのは間違いない。