だが、教員の仕事をするのは学校だけではない。県の郡部にある小学校に勤めるベテランの教員Cさんはこう話す。
「自宅にプリントを持ち帰り、自宅でも丸付けをしています。そんな父親の姿を見ていたからか、3人の子どもたちは全員、教育学部に進学しませんでした」
学校によっては、個人情報保護のために、自宅にプリント類を持ち帰ることを禁じている。このため、宿題の量を減らす教員もいるという。
■親の"罵り"を、子どもが真似
首都圏で幼児教室の先生をしている女性は、幼児や小中学生に勉強を教えているため、小学校の情報も自然と入ってくる。そんな中、最近の小学生で気になっているのは、生活態度の異変だ。
「驚いたのは、『学校の先生の教え方が悪いから、成績が伸びない』という小1がいたこと。保護者が子どもの前で、『あの先生は教え方が悪い。ハズレだ。だから、あなたの成績が伸びない』などと言うため、子どもが真似しているのだと思います」
小1だけではない。高学年の児童からは、耳を疑いたくなるこんな言葉も。
「昔は、高学年の児童が先生の悪口を言うときには、『教え方が下手』『わかりにくい』など、授業に関するものでしたが、ここ数年は、教員の容姿に対する悪口を言う児童が増えました。特に、『あの先生、キモい』『ネクタイのセンスが悪い』などとボロクソに言う小6の女の子もいます。先生が馬鹿にされたり、悪口を言われたりしているのを見ている今の子どもたちは、『将来、教員になりたい』とはなかなか思わないでしょう」
ちなみに、2019年入試の教育学部志願者数は、リーマン・ショックの影響を受けて公務員や教員の人気が高まった2010年と比べると、埼玉大(-844人)、東京学芸大(-963人)、横浜国立大(-1145人)、大阪教育大(-1285人)、福岡教育大(-1362人)などと、都市部で“大幅減”が目立つのはAERAdot.で既報のとおりだ。