イチローがマリナーズのユニホームを着て日本でプレーする。この一事だけで目が離せない、7年ぶりとなるメジャーリーグ日本開幕戦。3月20日と21日に東京ドームでマリナーズとアスレチックスが対戦し、2戦目ではオフにマリナーズ移籍を果たした菊池雄星のメジャーデビューも控えているが、もちろん注目すべき選手は日本人コンビだけではない。
マリナーズではやはり「キング」ことフェリックス・ヘルナンデス投手の名前を挙げねばならないだろう。かつて最多勝やサイ・ヤング賞にも輝き、昨季まで10年連続で開幕投手を務めたマリナーズの看板選手だ。
ただし、ここ2年は故障もあって不本意な成績が続き、昨季は8勝14敗、防御率5.55と散々。オープン戦でも防御率が16点近くと調子が上がらず、ついに今季は開幕投手の座をマルコ・ゴンザレスに奪われてしまった。それでも来日メンバーには名を連ねており、巨人とのプレシーズンゲームでは先発マウンドに上がると思われる。4月で33歳とまだ老け込む年齢ではないだけに、復活の兆しを感じるようなピッチングを期待したい。
マリナーズはオフにジーン・セグラ遊撃手や指名打者ネルソン・クルーズ、守護神エドウィン・ディアスにエース左腕ジェームス・パクストンなど、多くの主力を放出した。恐らくは数年後を見据えたチーム作りなのだろうが、そんなチームで中軸を担うことを期待されているのがミッチ・ハニガー外野手だ。
メジャー3年目の昨季は初めてフルシーズンを過ごし、打率2割8分5厘、26本塁打、93打点の活躍でオールスターにも選出。オフにはメジャー選抜の一員としてひと足早く来日も果たしている。野球に対して真摯で、研究熱心な姿勢はチーム内外から高く評価されているという。かつてはイチローの定位置だった右翼の現レギュラーでもある。
そのほか、かつて在籍した西武ではパッとしなかったが、昨季はマリナーズの先発ローテーション入りを果たして9勝5敗、防御率3.72とキャリアハイの成績を挙げた左腕ウェイド・ルブランや、7年連続で30ホーマー以上を放っている新加入の大砲エドウィン・エンカーナシオンなどにも注目してほしい。