2016年(平成28年)の宝塚記念では、前年の二冠牝馬ドゥラメンテと、この時点で菊花賞と天皇賞(春)の両G1を勝っていたキタサンブラックを2着と3着に従え、前年のエリザベス女王杯馬マリアライトが勝利。2017年(平成29年)にはヴィブロスがドバイターフで海外G1制覇を達成した。

 そして2018年。久々に歴史的な女傑が誕生した。アーモンドアイだ。デビュー戦こそ2着だったアーモンドアイだが、2戦目からは連勝街道に。牝馬クラシックおよび秋華賞をいずれも快勝で史上5頭目の三冠牝馬となると、ジャパンカップに挑戦する。ハイペースで逃げた前年の菊花賞馬キセキを2番手で追走すると、最後の直線で軽やかに先頭に立ってゴールイン。タイムは2分20秒6。圧巻のレコードでジェンティルドンナ以来の3歳牝馬によるジャパンカップ制覇を成し遂げた。

 このジャパンカップは世界的にも高く評価され、ロンジンワールドベストレースホースランキングでは3歳牝馬ではトップタイの124ポンド。これは過去最高だった2012年のジェンティルドンナの122ポンドを上回るものとなった。

 ここで紹介した以外にも平成を彩った名牝はたくさんいる。牡馬相手には分が悪かったとはいえ、G1通算5勝のメジロドーベルやエリザベス女王杯2連覇のアドマイヤグルーヴ、三冠牝馬アパパネなども十分に強かった。また牝馬のもうひとつの重要な役目である繁殖という観点も含めるなら、自身は米G1アメリカンオークスなどを勝ち、産駒として昨年のホープフルステークスを無傷で制し、今年のクラシック候補となっているサートゥルナーリアら3頭のG1馬を送り出したシーザリオも歴史的な名牝だろう。

 アーモンドアイの快進撃は続くのか。往年の名牝たちの産駒がまたターフをにぎわすのか。それとも新たな女傑が誕生するのか。今年の競馬も牝馬たちの活躍から目を離せそうにない。(文・杉山貴宏)

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