平成30年(2018年)も終わろうとしている12月27日、「池上彰のニュースそうだったのか!!」(テレビ朝日系)を見た。「今年のニュースでわかる平成30年間の日本」がテーマで、そのひとつとして「平成30年はハラスメントの歴史?」が取り上げられた。
2018年に次々パワハラが発覚したスポーツ界から始まり、セクハラに話は移った。「本人は否定したまま辞任した」と、福田淳一財務省事務次官(当時)が紹介された。
池上さんは「ハラスメントは平成になってから問題になったんですよ」と語り、平成元年に日本で初めてセクハラ被害を訴える訴訟が起こされ、その年の流行語大賞に「セクシャルハラスメント」が選ばれたと説明した。そこから「ハラスメント30年史」を解説した後、池上さんは、「女性がどんどん前へ出てきたのは平成になってから」と語った。
男性だけだった場所に女性がどんどん進出し、それまで見過ごされてきたさまざまなことが「ハラスメント」だと指摘されるようになった。それが平成という時代で、つまり「時代が変わったのだ」というのが、池上さんの認識だった。
付け足させていただくと、変化の始まりは平成の2年前、1986年にあると思う。
4月1日、男女雇用機会均等法(均等法)が施行された。近頃な感じで表現させていただくと、私は「均等法は神」だと思う。だってそれより前、女性は前へ出るどころか、スタートラインにさえ並べなかったのだ。
少し自分の話をさせていただくと、1983年3月に国立大学の経済学部を卒業した。就職活動をするにあたり「就職室」に行ってみたら、壁中に貼られた求人票のほぼ全部に「男子若干名」と書いてあった。それが当然だった。
その年の4月、なんとか新聞社に職を得た。入社後、社内ヒエラルキーの中で女性の地位が低いことを知らされる場面に、何度も出くわした。だが、そんなものだと呑み込んでいた。就職できたのはラッキーで、「採用していただけて、ありがたい」という意識がずっとあったからだと思う。