「死別ということで、彼には本当に申し訳ないんですが、私はどこかホッとしたんです。こんな言い方は変だと思いますが、ただのバツイチだったら、結婚には踏み切れなかったかもしれません」

■50歳まで独身だった私の最大の親孝行

 彼からの少々強引なアプローチに戸惑いながらも、ちょっとずつ結婚へと進んで行った。

 そして、一緒に住むなら、けじめとして白井さんの両親に挨拶することになり、白井さんも結婚を決意。

「まさか、こんな早く結婚まで辿り着くと想像していませんでしたが、彼が私のことをすごく大切に思ってくれているのは分かっていたので、いつかは私もこの思いにきちんと答えなくちゃいけないとは思っていましたね。彼が多少強引な形でも引っ張ってくれたから、その決心がつきました。両親はとても喜んでくれましたね。直接、面と向かって言われたことはありませんが、50歳近くになってもひとりでいる娘を内心はとても心配していたと思いますよ。だから、結婚は最大の親孝行です」

 両親への挨拶をすませた後は、あれよ、あれよという間に結婚生活に突入。

「スピード婚でしたが、結婚ってタイミングなんだなとつくづく思いました。30歳の頃に望んだのにできませんでしたし、40代でお見合いしても、そこには辿り着かなかった。でも、そんなに強く望んでいない50歳でいい縁に恵まれ、結婚しました。人生って面白いですね。自分が思っていなかったことが、ポッと起こるんですから。友人たちに報告をすると、想像以上にみんな喜んでくれ、本当にうれしかったですね。結婚式はまだこれから。プランをふたりで話し合っているところです。せっかくだから、皆さんに喜んでいただける式にしたいですね」

 こうして出会いから5カ月というスピードで結婚生活をスタートさせたのだが、独身生活が長かった白井さんにとって誰かと生活を共にするというのは、なれるまで少し大変だったようだ。(取材・文/須藤桃子)

須藤桃子(すどうももこ)
1965年東京生まれ。フリーライター。女性の生き方、料理、健康、ペット(特に)系を中心に活動