初恋の人に会ってみたい! 同窓会の密かな楽しみ(※写真はイメージ)
初恋の人に会ってみたい! 同窓会の密かな楽しみ(※写真はイメージ)
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「私たち、結婚しました!」――続けて届いた2通の結婚報告はがき。お葬式に参列することのほうが増えていたというのに、まさか同年代である50代の友人から結婚話を聞かされるとは。もしかして、と調べたところ、ここ20数年で50歳前後の結婚増加が判明。総数から見れば少ないものの、“50歳からの結婚”が増えていることは間違いないようだ。連載「50歳から結婚してみませんか?」では、結婚という大きな決断を50歳で下すことになった女性の本音とリアルに迫る。第13回は、同窓会がきっかけで結婚した山口涼子さん(仮名・64歳・音楽療法士)の前編をお届けする。

*  *  *

「いきなりで恥ずかしいのですが、実は主人との話は、某テレビ局の“同窓会ラブ”をテーマにした番組で再現ドラマに採用されまして……」

 そう切り出した山口さんは、64歳というには若々しく、タレントの三田寛子似の明るく快活な女性。定年後の61歳で音楽療法士の資格を取り、今は老人ホームや施設に出張して仕事をしている。

「52歳のとき、初めて同窓会に行ったんです。正直、高校生活には特に思い出がなく、何度か同窓会の知らせはもらっていたのですが、参加するまでには至りませんでした。でも、毎年年賀状をやり取りしている女友達に誘われて、彼女に会いたくなって」

 そう話す山口さんだったが、実はもうひとつの大きな目的があった。

「私、高校時代3年間、ずーっと好きで憧れていた人がいて、その人に会ってみたかったんです」

■初恋の人に会いたくて参加した同窓会だったが

 18歳で卒業以来、久しぶりに会う同級生たち。みんな見ためはずいぶん変わってしまった。

 でも、3年間ずっと好きだった男性のことは、さすがにすぐにわかったという。

「同窓会には100人近い同級生が参加していましたが、その人のことはすぐにわかりました。ただ彼、すごく太っていて(笑)。『私、ずっとあなたのこと好きだったんだからね!』って。もう、冗談混じりで打ち明けましたよ」

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初恋の人との再会が再現ドラマに採用されたが…