05年放送のNHK大河ドラマ「義経」では、当時としては最年少で主役に抜擢され、翌06年からは23歳にして座長を務める「滝沢演舞城」をスタートさせた。

 一方、プロデューサーとしてもジャニーズJr.時代から100人弱のメンバーをまとめて大会場でのライブを演出し、10年4月からは同舞台において演者としてだけでなく、それまでジャニー喜多川社長が担当していた演出も自ら手掛けるようになる。

 そのカリスマ性も特筆すべきものがあり、同事務所の同世代のタレントや後輩から慕われていることは、今回の発表を受けて現在は同事務所を離れている「KAT-TUN」の元メンバーの赤西仁が自身のツイッターで「タッキーーーーーーー!」とつぶやいたり、数多くの所属タレントが参加したジャニー喜多川社長の傘寿のお祝いの誕生日会を仕切ったことなども広く知られている。

 また、個人的には大のプロレスファンという点も見逃せない。

 00年3月に神奈川・横浜アリーナで開催されたプロレスイベント「第2回メモリアル力道山」では、当時現役を引退していたとはいえ、プロレス界のカリスマであるアントニオ猪木氏とエキシビションマッチを行った。

 こうした芸能人のマット参戦は、場合によっては厳しい目を持つコアなプロレスファンからのバッシングの対象にもなりかねないが、滝沢が幼い頃からプロレスを愛し、心からリスペクトしていることはそうしたファンも知るところで、その果敢なファイトは日頃ジャニーズタレントに興味のないプロレスファンをも魅了し、会場を大いに盛り上げた。

 芸能人によるプロレスマット参戦の最たる成功例だろう。

 ドナルド・トランプ米大統領もかつて実業家時代に、世界的プロレス団体「WWE」のリング上で同団体の総帥のビンス・マクマホン氏と抗争を繰り広げるなど、すでにアメリカではプロレスは芸能に負けないほどのエンターテインメント、ショービジネスとして認知されている。

 芸能はもちろんのこと、プロレスにも造詣が深い滝沢プロデューサーが、今後同事務所にどんな化学反応を起こし、どのようなエンターテインメントを紡ぎ出していくのか注目している。(芸能評論家・三杉武)

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