研究チームは、オミクロン株BA.5にも対応する2価ワクチンを追加接種で受けた人の血液を使った実験で、ウイルスを攻撃する中和抗体の働きを調べた。武漢で見つかった当初のウイルス株に対する効果に比べ、BQ.1.1やXBBに対する中和抗体の働きは約22分の1~26分の1に低下していた。

 ただし、英国健康安全保障庁(HSA)によると、少なくともBQ.1に対しては、入院が必要になるような重症化を防ぐワクチンの効果はある程度、維持されていた。

 昨年9月5日~12月11日に感染が確認された人について、ワクチンの接種状況別に比較したところ、BQ.1に対する入院を防ぐ効果は50.3%あると推計された。ただし、BA.5に対する効果64.0%よりは低かった。(科学ジャーナリスト・大岩ゆり)

AERA 2023年1月30日号