日本で、世界で、オミクロンの新しい亜系統が続々見つかっている
日本で、世界で、オミクロンの新しい亜系統が続々見つかっている

 これまでより感染の広がる速度が増している新たなオミクロン株の亜系統が、次々登場している。欧米ではさらに新たな亜系統も出現している。AERA 2023年1月30日号から。

【グラフ】都内の亜系統の推移はこちら

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 新型コロナウイルスの第8波がなかなか落ち着かない。原因の一つが、相次ぐオミクロン株の新たな亜系統の出現だ。

 昨年7月ごろから主流となり、第7波の原因となったのはオミクロン株のBA.5だ。国立感染症研究所(感染研)によると、すでにBA.5は国内で流行しているオミクロン株の過半数を割ったとみられる。

 感染研によると、1月11日現在の民間の検査機関の解析を基にした推計では、12~18日の週にはBA.5系統(BF.7含む)が43%、BQ.1系統(BQ.1.1含む)が35%、BA.2.75系統(BN.1含む)が21%、XBB系統(XBB.1.5含む)が1%を占めると予測された。

 東京都の新型コロナウイルス感染症モニタリング会議によると、2022年12月27日~23年1月2日の週に都内で採取され、民間検査会社で解析された新型コロナウイルスのうち、BA.5は前週の54.0%から50.6%に減った。逆に増加傾向にあるのがBQ.1.1(16.2%)やBF.7(14.2%)、BN.1(10.4%)だ。

 BQ.1.1を含むBQ.1やBF.7は、BA.5の遺伝子に変異が加わって登場した亜系統だ。一方、BN.1は、BA.2.75に変異が生じて派生した亜系統だ。

AERA2023年1月30日号より
AERA2023年1月30日号より

■複数の亜系統が併存

 新型コロナウイルスの流行状況は、1種類の変異株や亜系統がそれまで主流だった変異株や亜系統に置き換わる、というパターンだった。しかし、世界的に昨秋ごろから、複数の亜系統が併存する状態に変わってきている。

 国内では今後、複数の亜系統の中でいったんはBQ.1系統(BQ.1.1含む)が多数を占めそうな傾向がみられる。ただし、欧米では別の亜系統が登場し、増加している。

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