ナシゴレン(下)や、ケチャップ味のオートミールが入ったオムライス(右上)、米化したオートミールを延ばして焼いたピザも楽しめる(photo 大野洋介)
ナシゴレン(下)や、ケチャップ味のオートミールが入ったオムライス(右上)、米化したオートミールを延ばして焼いたピザも楽しめる(photo 大野洋介)

 まずい食品の代名詞といえば、ご存じ「オートミール」。それが、ある一手間を加えると、劇的においしくできるんです。ダイエットにもいいので、正月太り解消に始めてみませんか? AERA2022年2月7日号の記事を紹介する。

【写真】40キロの減量に成功したこれぞうさんの現在の姿と105キロ時代の写真はこちら

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 昨年12月、料理・食関連事業を展開するクックパッドは、この年を象徴する食・料理のトレンドを選ぶ「食トレンド大賞2021」を発表した。マリトッツォなど、ネットをにぎわせた食の世界のニューカマーを押しのけて大賞に選ばれたのは、なんと「オートミールごはん」。いわゆる「米化」と呼ばれる食べ方で、ダイエットの友として大人気になっている、あれだ。

■食品店の棚から消えた

 コロナ禍で、おうちご飯が本格化した20年ごろからブームは始まったと言われるが、こうしてメディアで取り上げられる機会が増えた21年末には、早くも第2次オートミール米化ブームの兆しも。この2年で格段に大きくなったスーパーのオートミールの棚から、商品が姿を消す光景も見るようになった。

 そもそもオートミールとは、欧米の人が牛乳やお湯で煮て、ドロドロにして食べるイメージ。そんなナゾの食材を「米化」することで、おいしく食べる方法を編み出したのは、105キロの体重を何とかせねばとダイエットに励んだ、普通の会社員だったこれぞうさん(37)だ。

 現在は「オートミール米化レシピ研究家」として活躍するご本人が、誕生の瞬間をこう語る。

「海外に住む姪(めい)っ子に、『ヘルシーな食材がある』と紹介されたのが、オートミールとの最初の出合いでした。さっそく大好きなご飯を、オートミールで代替するダイエットを始めたものの、あのドロドロの食感などが受け付けられず、1回食べただけで挫折。でも見た目が米に少し似ていたので、水の量を減らして加熱してみたんです。すると、もちもちした米のような食感が生まれたんです」

 これが後に「オートミールの米化」と呼ばれるようになる。ちなみに米化の読みは、ベイ化でもなく、マイ化でもなく、素直にコメ化。その意味も素直に、オートミールを少なめの水と一緒に加熱して、ごはん的なものに変化させて食べる方法をいう。

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