■人に頼るようになった

上田:俺は、まわりのことはあまり意識していないんです。グループの中でこれをやらなきゃ、というのもない。ただ、やるべきことを一生懸命やる、という感じかな。だけど、やり始めたら投げ出すことはあまりない。プライベートで格闘技を続けたことで体力がついて、気付いたら強みにもなっていた。そういう自分の秀でている部分を、事務所が仕事に生かしてくれている気がします。

亀梨:僕が偉そうに言うことではないけど、上田君は昔と比べてキャパが圧倒的に広くなったと思います。許せることもきっと増えた。深いこだわりを持って、時代ごとに出したい色は変わってきているんだけど、根本が変わった印象はないです。

上田:うん。昔は誰にも頼らないところがあったんですけど、頼るようになった。単純に大人になったのかもしれない。

中丸:僕らはジュニア時代から「自分たちで考えてやりなさい」って託してもらった部分が大きかったんです。デビュー前に既に「こう見せたい」というのがあったから、急に大人が入ってきて意見されて、「違う」と感じたりもした。特に上田君はそんな感覚が強かったかもしれないです。今は平和にやっています。

上田:亀梨君は昔から高いプロ意識がある。きっと自分の中で「こうあるべき」というのが強くて、それがずっと継続しているんだろうなと思う。

中丸:グループに対して信念を持つタイミングも、メンバーの中で一番早かった。それ以降もずっとモチベーションを高く維持していて、心が折れているところはあまり見たことがない。

亀梨:そうでもない。僕からしたら、二人のほうがむちゃくちゃ努力してると思う。僕は10代の頃から真ん中に立たせてもらうことも多かったし、立場を作ってもらったと感じる道のりでもありました。そういう中で、グループとしての志がうまくまとまらないと感じたこともあるし、自分に対して圧をかけていた部分もありました。心が折れることは何度もあったけど(笑)、その状態で仕事はしないし、折れ切らなかっただけです。

 僕は実は「こうじゃなきゃ嫌だ」をあまり提示してこなかったタイプ。一番提示してるっぽく見えるかもしれないけど(笑)。だからこそ、さまざまなお仕事をいただいていると思っています。2021年はバラエティー番組のMCをはじめ、新たな環境で濃厚なお仕事をさせていただいた。まだまだ可能性を閉じる時期じゃないと思うし、ひとつひとつもっと伸ばさなければと思うので、日々悪戦苦闘しながら自分と対峙しています。

——話は、グループのこれからにも及んだ。

上田:それぞれがやるべきことをやっている中で集まると、自然と「KAT-TUNだよね」というのがあるのかな。俺たちはこれが普通だと思うけど、悪く言うと感じ悪く見えたり、プラスで言うと、楽曲でも何でも後輩が「KAT-TUNみたいな雰囲気でやりたい」と言ってくれることが多いので、“KAT-TUNらしさ”がいつの間にかできているんだと思います。

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