イヤイヤ期は親も大変。余裕を持っておおらかな気持ちで子育てすることが大事(写真/gettyimages)
イヤイヤ期は親も大変。余裕を持っておおらかな気持ちで子育てすることが大事(写真/gettyimages)

 幼児期の子育ての中で、一番手を焼く時期と言われるイヤイヤ期。子どもの成長の証しとは思いつつも、思い通りにならないわが子についイライラ。このイヤイヤ期を乗り切るための方法はあるのでしょうか? アエラムック「AERA with Baby 解決!子育ての基本の悩み」では、非営利団体「コドモノミカタ」代表の井桁容子先生に聞きました。

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 イヤイヤ期のはじまりは、だいたい1歳から2歳頃。何に対しても「嫌い!」とばかり言う子もいれば、ただただ泣きわめくなど、表現の仕方はそれぞれです。しかし、この時期に子どもの気持ちを受け止め損ねると、思春期あたりまでイヤイヤ期を引きずることもあるようです。

「イヤイヤを言わない子は一見良い子に見えますが、言えなかった子ほど、思春期で大きな反抗に出ることがありますから、根気よくていねいに向き合うことが後に大きな意味を持ってきます」

 そう話すのは井桁容子先生です。

 1歳から2歳というのは言葉を使い始める時期。「こうしたい」という自分の気持ちは生まれるものの、使える言葉が少ないため、うまく表現ができません。そのもどかしさの表れが俗に言う「イヤイヤ期」です。手のかかる時期といういやなイメージのつきまとうこの時期ですが、「イヤ」と言えるのは、自分の考えを持つという自我が芽生え始めている証拠、フランスでは「イヤ」と言えた日を、自立に向けて成長がはじまった日と捉え、お祝いする習慣もあるほどです。困ったことと捉えずに成長のために必要なことと受け止めて、お付き合いしていきましょう。

 イヤイヤ期を乗り切るために大切なのは、“子どもの気持ちになってみる”ことです。子どもたちが考えていることは本当に多様です。どのようなことに対して「イヤだ」と言っているのかを大人が一緒に考えてあげるようにすると、少しイヤイヤの度合いが和らぎます。そのためにも、子どもの様子をよく観察してみてください。たとえば、着替えをするのを「イヤ」という時にもいろいろと理由は考えられます。好きな色の服でなかったり、スカートがイヤだったり、はたまた肌触りがチクチクするからこの服はイヤだという場合も考えられます。一つずつの「イヤ」の根本原因を本人に確認しながら探してみてください。

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