「発酵していないのが緑茶、発酵しているのが紅茶、その中間がウーロン茶です」

 発酵はさまざまな効果をお茶にもたらすが、わかりやすい発酵の効果は、「渋み」を作るタンニンが増えること。

「発酵で赤くなった紅茶は、食事のあとなど、口のなかが脂っぽいときに、渋みが口のなかをさっぱりリセットしてくれます」

 一方、発酵していない緑茶は、言ってみれば青青とした茶畑のお茶のまんま。豊富に含まれるカテキンには適度な苦味があり、口の中をさっぱりさせるリフレッシュ効果があるそうだ。

 カテキンは、強い殺菌作用や免疫力をアップさせる作用が研究され、注目されているお茶の成分。緑茶は玉露で50度前後、一般的な煎茶で70~90度で入れるのが適温といわれるが、カテキンをたっぷりとるには90度くらいがいいという。

「温度が高いお湯で入れた緑茶はカフェインもたっぷり出ることがわかっています。つまり高温で入れたお茶は、カフェインもカテキンも豊富なんです」

種類によっても効果が変わるお茶類。紅茶、緑茶、中国茶など世界のお茶、数百種類がそろう「世界のお茶専門店 ルピシア」にも、お茶のTPOを聞いて味見させてもらった。その中で、筆者がリピートしているものをいくつか紹介したい。

■失敗した日は柑橘系を

 眠気撃退は、カフェインが抽出される紅茶や緑茶も得意技だ。

「ストレートで入れたスリランカなどの紅茶の香りとコクや、高めの温度で入れた煎茶の上品な苦みなどがおすすめです」(ルピシア広報)

 そう言われて飲んでみると、ストレートの紅茶や熱い煎茶からも、たしかにカフェインがガツンと迫ってくるような。王子に教えてもらったように、香りも意識して嗅ぐと、さらに目がパチリと覚めた気がした。

 江沢さんらの話をもとに、在宅ワークでありがちな七つのシチュエーションで「飲むべき飲み物」をまとめた。コーヒー派の人も紅茶派の人も、ぜひ今日から参考にしてほしい。

仕事で失敗するなどして落ち込んだとき、ドリップコーヒーだけでなく、紅茶の「アールグレイもおすすめ。柑橘類の一種ベルガモットの香りで、ストレス解消などに効果ありとの説がある。

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