Q3:通勤電車はすし詰めなのに、スーパーでは2メートルを確保。意味ある?

宮沢:黙っていさえすれば、どんな距離でも感染リスクとは無関係

 マスクをして黙っているなら、せきをしない限り電車でもスーパーでも距離は感染リスクと無関係です。エチケット以外の合理性はありません。

 新型コロナウイルスは、感染者の唾液中、呼気、せきの中に存在し、飛沫感染・接触感染しますが、空気感染は特殊な環境以外ありません。ひとりの患者が何人に感染を広げるかを示す基本再生産数は、はしかなど空気感染するウイルスの場合10以上ですが、新型コロナウイルスは1.4~2.5(WHO推計)。近くにいたからといってそう簡単にうつるものではない。もし近くにいるだけで感染するなら、今頃もっと悲惨な状況になっています。

 2メートルを気にするより、感染リスクを高める行為をしない。会話時にマスクをする。手を洗う。目・鼻・口を触らない。換気をする。それが鉄則です。

(編集部・石臥薫子、小長光哲郎)

AERA 2020年7月6日号から抜粋

■アエラでは、「新しい生活様式」を感染拡大防止の効果は維持しつつ、より合理的で続けやすい形にアップデートすることを試みました。発売中の「AERA 2020年7月6日増大号」では、4人の専門家に取材。27つの「新しい生活常識」を提案します。

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小長光哲郎

小長光哲郎

ライター/AERA編集部 1966年、福岡県北九州市生まれ。月刊誌などの編集者を経て、2019年よりAERA編集部

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