ちなみに、最初に出てきたこのカレー、実はリメイク料理界の最終形態なのだという。

 さわけんさんによれば、リメイクのコツのひとつは「料理の国籍を変える」こと。たとえば、野菜炒め(中華)や鍋の残り(和食)も、トマトソースを加えるだけでイタリアン風になる。カレー粉をふりかければ、日本人がイメージする「インド風」に変身。残り物の焼き鳥にチーズやレタスを加え、バンズで挟んでハンバーガーにすれば、どことなくアメリカンな雰囲気を醸し出すこともできる。

 ところが、どうやっても「国籍」を変えられないものがある。それがカレーだ。さまざまな料理がカレーに変身する余地はあっても、カレーは他の料理には変身できない。香りも味わいも、個性が強烈すぎるからだ。

「だから見た目を変えるんです」

 カレーをうどんやパスタにかけてもいいが、意外性を求めるならトーストを。ナイフとフォークを添えれば、よそいきの特別感も演出できる。(ライター・羽根田真智)

AERA 2020年4月27日号より抜粋

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