ごちトースト(撮影/石原麻里絵)
ごちトースト(撮影/石原麻里絵)

 外出自粛要請と学校の休校が続くなか、子どもたちの昼ごはんは大問題だ。そんな悩みを前日の夕食の残りを使って解決、野菜もたっぷりとれるリメイク昼ごはんのコツを料理のプロが伝授する。AERA2020年4月27日号の記事から。

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「朝作ったら昼、昼作ったら夜。一日中、ごはんのことを考えている感じです」

 東京都内に住む40代女性は、3月以降の毎日をそう語る。14歳、13歳、8歳の3人の子どもがいるが、子どもたちが通う小中学校は、5月6日までの休校が決まった。

 これまでの長期休暇は、子どもが友達と遊びに出かけたり祖父母がいる田舎に帰省したりするので、「休み期間中ずっと昼食を作る」ことはなかった。現在は外出自粛が求められ、先も読めない。子どももストレスがたまっているのか、前日の夕食そのままや手を抜いた料理を出すと、不満げだ。

 かさむ食費も気がかりだ。3月の食費はふだんより1万円超アップした。4月から食用油など食料品が値上がりしたことも、家計を圧迫している。女性はため息をつく。

「緊急事態宣言が出て、近いうちに夫も在宅勤務になる。“昼食問題”は深刻です」

 それならば、労力も食費も抑えて、おいしくハッピーになる昼食を作ることはできないか。

 相談したのは、本誌でもおなじみ、科学する料理研究家のさわけんさん。辻調理師専門学校で11年間西洋料理を教え、フランスの二つ星店に勤めた経験もある本格派だ。これまでも「簡単にして!」というワガママな編集部の要望に応え、数々のテーマで簡単で材料も身近な料理を提案してくれた。

「お昼ごはんに手間をかけてはダメです。前の晩の残りものを大いに活用して、洗い物を増やさないよう、一皿でドーンと出すのがいい。子どもが楽しく食べられるよう、驚きをプラスするのもポイントです」

 そうリメイクの神髄をズバリ言い切ると、まずは家庭料理の定番、カレーライスをリメイクしてくれた。カレーならそのまま昼食に出しても喜ばれそうだが、さわけん流は一味違う。トーストにチーズをのせ、オーブントースターでこんがり焼いて、上からカレーをたっぷりかけ、半熟卵をのせる。サラダもどっさり添えて、ナイフとフォークでめしあがれ。

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