「食品ロスの食材でも食事は成り立つのではないか。そしてそのことはSDGsの(12)つくる責任つかう責任に貢献できるのではないかと考えました」

 アプリを開くと、加盟店が掲載するその日のメニューが表示される。そこには「コースのキャンセルが出たため」「唐揚げを仕込みすぎたため」など、なぜ食材が余ったのかも明記されている。逆に余剰食材が出ない店は「本日はフードロスがありません」と表示される。

 食べたいメニューが見つかったら、目当てのお店を訪れ、アプリを提示して注文するだけ。掲載されているメニューは本来なら千円前後のメニューが多いという。今後は中部と九州にもサービスを拡大する予定だ。

 毎日のちょっとした習慣でSDGsに貢献するアエラ流SDGs生活。このように「SDGsへの貢献とおトクを両立させる」テクニックを紹介する。

「愛と勇気とお金の等価交換を実現する。」

 そんな刺激的なキャッチフレーズを掲げるのは、SDGsに貢献する行動や生活習慣を行うと「コイン」が貯まっていくアプリ「actcoin(アクトコイン)」だ。

 様々な習慣のリストから五つ以上を選んで設定し、それを毎日「実行できた」と報告するだけで500コインがもらえる。「職場にお弁当を持っていった」「エコバッグを持参してレジ袋を断った」など。

 さらに、SDGsについて学ぶイベントへの参加で2500コインなど、様々な行動でもコインがもらえる。イベントはシンポジウムから海岸のごみ拾いまで様々。昨今の情勢でイベントは中止や延期が多いが、通常時ならさほど苦労しなくても着実にコインが貯まる。

 当然気になるのが、コインの価値だ。キャッチフレーズの「お金との等価交換」が本当ならすごいことだが、さすがに「1コイン=1円」として使えたり、現金に交換してもらえたりはしない。運営するソーシャルアクションカンパニーのCEO佐藤正隆さん(39)は言う。

「SDGsに興味のあるユーザーが集まっているわけですから、環境に優しい商品やサービスを手がける企業にとっては、プロモーションの舞台として魅力的です。例えば一定数のアクトコインが貯まっていれば商品が受け取れたり、優待でキャンペーンに参加できたりということは遠からず実現すると思います」

次のページ