慶應に経営トップ人材が多い背景に「福沢諭吉の精神」長谷山彰塾長が語る 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

慶應に経営トップ人材が多い背景に「福沢諭吉の精神」長谷山彰塾長が語る

このエントリーをはてなブックマークに追加
AERA
長谷山彰塾長(66)/秋田県生まれ。慶應義塾大学で法学博士号。2017年から現職(写真:慶應義塾大学提供)

長谷山彰塾長(66)/秋田県生まれ。慶應義塾大学で法学博士号。2017年から現職(写真:慶應義塾大学提供)

 各方面で優秀な人材を輩出し続ける慶應義塾大学には、創始者・福澤諭吉の「独立自尊」と「平等思想」の教えが現代にも脈々と息づいている。長谷山彰塾長が慶應義塾の人材育成について語る。AERA 2019年9月16日号に掲載された記事を紹介する。

【優れた大学はどちらか!?早稲田VS.慶応 最終決戦!35項目のデータはこちら】

*  *  *
 下級武士の子に生まれ、封建的な身分制度の打破をめざした福澤諭吉は、政府の要職に就かず民間人を貫きました。福澤は「一身独立して一国独立する」、つまり自立した市民の育成こそが真の近代化につながると主張したのです。自分自身で進むべき道を見つけ、創意工夫により困難を乗り越える。これこそが慶應義塾で学ぶ者のとるべき道であり、慶應義塾はあらゆる分野に独立自尊の精神を持つ人材を送り出してきました。

 変化の激しい世界で活躍できる人材に必要なのは、未知の課題の本質を見極める洞察力、解決法を発見できる創造力、異文化を理解し、自国の歴史や文化を正しく語り、違いを乗り越えるコミュニケーション力。そして民族や宗教を超える普遍的な倫理観を備えていることです。このような人材を育成するため、慶應義塾では交換留学制度の拡大、ダブルディグリー・プログラムの促進など特色ある国際プログラムを開発してきました。国内からも多様な人材が集まるよう、地方出身者が対象の「学問のすゝめ奨学金」や、思考力、コミュニケーション力を評価する新しいタイプのAO入試を実施しています。特色ある研究を、「長寿」「安全」「創造」の3クラスターを基軸に、資金や人材を投入し推進していく仕組みもできあがりました。

 2013年のTHE(Times Higher Education)「世界的な大企業トップの輩出大学ランキング」で、慶應義塾は世界9位の評価を受けました。18年トムソン・ロイター「世界で最もイノベーティブな大学ランキング」で74位、国連の定めたSDGsの枠組みを指標とする19年THE「世界大学インパクトランキング」で91位と、東京大学、京都大学とともに100位以内に入っています。司法試験では16年度、17年度連続で合格者数1位。公認会計士試験では44年連続日本一を続けています。

「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らずと云へり」。『学問のすゝめ』冒頭にみられる福澤の平等思想は、世間体や社会常識にとらわれず自分のやりたいこと、誰も考え付かなかったことに挑戦する姿勢にも通じます。慶應義塾は伝統を守る努力を続けながら、時代の変化に応じた新しい教育研究の実践に挑戦していきます。(寄稿)

AERA 2019年9月16日号


トップにもどる AERA記事一覧

続きを読む

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい