食べ応え十分の「極厚サーモン」
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脂が乗った定番「とろサーモン」
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人気のアレンジ「炙りチーズサーモン」
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注目のオメガ3たっぷりの「オメガ3サーモン」
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「回転寿司でよく食べるメニューは?」と聞かれたら、何をあげますか?

【写真】たっぷり乗った脂はサーモンならではの魅力

 筆者は迷わず「イカ」なのですが、マルハニチロの調査によると、「よく食べる回転寿司のメニュー」は8年連続で「サーモン」が1位となっています。筆者の推しネタであるイカは6位ということでした。

 適度に脂の乗ったサーモンは、魚特有の生臭さも少なく、どちらかというと甘みを感じる味わいで、くら寿司でも幅広い層に人気のメニューです。特にお子様や女性の人気はとっても高く、マルハニチロの調査でも、男性では1位のサーモンと2位のマグロ(赤身)が僅差だったのに対して、女性では50%以上の方がサーモンをあげており、ダントツでした。

 ところで、英語の“salmon”の日本語訳は「鮭」ですよね。鮭は日本でも昔から一般的によく食べられていて、旅館の朝食の定番である「塩鮭」やお正月の「荒巻鮭」、石狩鍋などでも有名です。

 では、なぜ回転寿司のメニューでは、「鮭」ではなく「サーモン」なんでしょうか? 鮪は「ツナ」ではなく「まぐろ」と呼んでいるのに……。

 実は昔から日本で一般的に食べられていたのは、「白鮭(銀鮭)」と呼ばれる種類の鮭なんです。白鮭には、アニサキスと呼ばれる寄生虫が寄生していることが多く、生食には向いていませんでした。現在も、スーパーなどで「加熱用」として売られているのは白鮭が多いようですが、アニサキスは加熱したり冷凍したりすると死滅してしまうので、加熱して食べるなら問題はありません。

 一方、回転寿司で使っているのは、ノルウェーなどで養殖されたアトランティックサーモンと呼ばれる種類のサーモンか、淡水魚であるニジマスを海水で養殖した「トラウトサーモン」なんです。

 また、一般的にアニサキスは、オキアミなどの自然のエサを通じて寄生するので、人工餌で育てられた養殖のサーモンは、生で食べても安心です。

 加熱用の「鮭」と、寿司ネタの「サーモン」は、元々の種類も、育ち方も違うんですね。

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岡本浩之

岡本浩之

おかもと・ひろゆき/1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2021年1月から取締役 広報宣伝IR本部 本部長。

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回転寿司店にとってサーモンが欠かせない理由とは?