乙武洋匡の義足プロジェクト 心に残った「悔しい」の言葉 (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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乙武洋匡の義足プロジェクト 心に残った「悔しい」の言葉

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【作家】乙武洋匡(おとたけ・ひろただ、左)さん:先天性四肢切断での生活体験をつづった著作『五体不満足』(1998年、講談社)がベストセラーに。今年10月には車いすのホストを主人公にした小説『車輪の上』(講談社)を出版した/【ソニーコンピュータサイエンス研究所 リサーチャー Xiborg社CEO】遠藤謙(えんどう・けん、右)さん:ロボット義足や競技用義足の開発を手がける。気鋭のエンジニアとして早くから注目され、世界経済フォーラムの「ヤング・グローバル・リーダーズ」などにも選出された(撮影/写真部・小原雄輝)

【作家】乙武洋匡(おとたけ・ひろただ、左)さん:先天性四肢切断での生活体験をつづった著作『五体不満足』(1998年、講談社)がベストセラーに。今年10月には車いすのホストを主人公にした小説『車輪の上』(講談社)を出版した/【ソニーコンピュータサイエンス研究所 リサーチャー Xiborg社CEO】遠藤謙(えんどう・けん、右)さん:ロボット義足や競技用義足の開発を手がける。気鋭のエンジニアとして早くから注目され、世界経済フォーラムの「ヤング・グローバル・リーダーズ」などにも選出された(撮影/写真部・小原雄輝)

義足をはき仁王立ちする乙武さんの姿には、多くの反響が寄せられた。実は、靴をはいた義足はこの日が初体験だった(写真:本人提供)

義足をはき仁王立ちする乙武さんの姿には、多くの反響が寄せられた。実は、靴をはいた義足はこの日が初体験だった(写真:本人提供)

技術チームが開発を進める義足。デザインにも工夫が凝らされ、「あり得ない形状だが、不自然ではない立ち姿」(遠藤さん)を実現する(撮影/写真部・小原雄輝)

技術チームが開発を進める義足。デザインにも工夫が凝らされ、「あり得ない形状だが、不自然ではない立ち姿」(遠藤さん)を実現する(撮影/写真部・小原雄輝)

遠藤:乙武さんって、同じ両足切断の方の中でも義足で歩くのが特に難しいんです。まず、ひざがない。歩くうえでひざはとても重要で、ひざ上切断とひざ下切断では状況が全く違います。それから手がない。つえをついたりバランスをとったり、万一転んだときに手をついたりすることができないんです。そして、歩いた経験がない。事故で足をなくした方など、かつて二足で歩いていた人のほうが、体が歩き方を覚えていて義足に挑戦しやすいんです。

乙武:逆説的だけど、だからこそ僕が歩いていたら、「乙武にできるんだから」ってなるかなと。きれいごとに聞こえたらイヤだけど、僕は「誰かの役に立ちたい」と思って表舞台に出続けてきた人間です。でも、自分の不徳の致すところで、それができない状況になった。だからこのお話をいただいたとき、僕自身が歩けるようになることよりも、同じように歩くのを諦めている人に、歩く未来が見せられたらと思ったんです。

遠藤:世の中は二足歩行することを前提にデザインされています。ユニバーサルデザインが増えているけど、それはあくまで後付けなんです。だから、義足を使って歩けることは単なる移動手段の獲得以上の意義があると思っています。

乙武:ただ、ひとつ付け加えたいのは、足がない人にとって二足歩行だけが正解ではありません。車いすだって立派な選択肢。でも、この義足が完成すれば選択肢が格段に広がると思っています。そんなふうに、障害を乗り越える選択肢が増えれば、すばらしいですね。

(構成/編集部・川口穣)

※AERA 2018年12月24日号より抜粋


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