「給料」と「友人」減る…地方移住2大問題、実際の移住者の声は (2/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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「給料」と「友人」減る…地方移住2大問題、実際の移住者の声は

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澤田晃宏AERA
公共交通の計画策定などの実績豊富なバイタルリードに就職した遠藤さん。週末は広島県内でのレジャーや中四国地方へのドライブを楽しむ(撮影/編集部・澤田晃宏)

公共交通の計画策定などの実績豊富なバイタルリードに就職した遠藤さん。週末は広島県内でのレジャーや中四国地方へのドライブを楽しむ(撮影/編集部・澤田晃宏)

マリホ水族館の広報を担当する武田さん。地元メディアとの打ち合わせも担当し、自分が関わったCMなどで来客があるとやりがいを感じる(撮影/編集部・澤田晃宏)

マリホ水族館の広報を担当する武田さん。地元メディアとの打ち合わせも担当し、自分が関わったCMなどで来客があるとやりがいを感じる(撮影/編集部・澤田晃宏)

「公園も狭く、気軽に子どもを連れて入れるカフェもない。もう少し広々とした空間で子育てをしたいと考えていました」

 ただ、ネックとなるのが仕事だ。大学院で修士課程(環境デザイン)を修了し、大学院卒業後は空間デザインの仕事に携わってきた。東京は出たいが、これまでのキャリアを生かせる仕事が見つかるのか。そうしたときに知人を通して紹介されたのが広島を本拠地とする自動車メーカーのマツダだった。これまで広島とは縁もゆかりもなかったが、移住を決意した。現在はマツダのデザイン本部に所属し、マツダブースの空間デザイン全般に携わっている。

「デザイン会社に勤めていた妻は独立し、イラストレーターとして東京のクライアントと仕事をしています。自分は東京での給与水準もそのままに、自分のキャリアを生かせる仕事に就けた。広島は、街中は東京並みですが、電車で少し走れば海や山に囲まれ、子育て環境にはいい。このまま広島で暮らして行こうと思っています」

 野元さんも遠藤さん同様、東京でもらっていた水準の給料を広島で得ているが、レアケースと言っていい。東京からの移住者の採用も積極的に行う広島市内のIT企業「ディジフュージョン・ジャパン」の影山茂社長はこう話す。

「特にIT業界は人材不足が激しく、給与が高騰しています。同じ仕事でも、東京なら少なくとも広島の1.5倍払わなければならない。その給料を広島でも払えるかと言われれば、難しい。面接では趣味の話をするようにしています。広島には海、山、川のすべてがそろっています。家族みんなで遊びに行けますと、生活面をアピールします」

 東京から広島に移住した板倉真弓さんもハローワークを通じて事務の仕事を得たが、年収は100万円減った。

「移住して地元の友人がいなくなった分、飲みに誘われることが減って、その分、支出は下がりました。家賃も安く、感覚的な収支は同じです」

 そう板倉さんは話すが、東京からの完全移住となると、こうした交友関係を失うのも事実だ。だからこそ「何かあればすぐに東京に戻れる長野、山梨、静岡が移住先として不動の人気」(認定NPO「ふるさと回帰支援センター」の高橋公(ひろし)理事長)なのだろう。


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