くらたまゆみ(46)/1971年生まれ。マンガ・エッセイなどの執筆活動のほか、テレビ・ラジオ出演、トークショーと多方面で活躍中。2児の母親でもある(写真:本人提供)
くらたまゆみ(46)/1971年生まれ。マンガ・エッセイなどの執筆活動のほか、テレビ・ラジオ出演、トークショーと多方面で活躍中。2児の母親でもある(写真:本人提供)

 夫婦間の大きな問題のひとつ、セックスレス。自身も夫とセックスレス状態にあるという漫画家の倉田真由美さんは、夫婦関係について次のように明かす。

*  *  *

 夫(映画プロデューサーの叶井俊太郎さん、50)とセックスレスになって7年。もう夫は同性の友だちみたいで、彼とはセックスしたいという気持ちはなくなりましたね。

 恋愛期間中は熱かったですよ。でも2009年に第2子が生まれしばらくするとセックスはピタリと止まりました。今は、キスもきついなあ(笑)。

 夫の裸は「風景」のようなもの。家族旅行でみんなで家族風呂に入って夫の裸を見ても何も感じないし、夫が私の裸を見てもそう。浴室にある洗面器みたいなものですね。

 でも、私はセックスレスだからといって悲愴感はありません。性欲もあって、ムラムラした時はネットでアダルトサイトを見たりして発散してます。夫から女として見てもらいたいと思わないだけで、女としてギラギラした感じは失わないでいたいです。性を手放して生きる人生は面白くないですよね。

 目指すのは「性的な女」。それはすなわち、男が「抱きたい」と思う存在であること。性的な目で見られているという感覚こそ私にとって性の喜びです。そのために瑞々しい女でいたいと思っています。

 セックスレスだからといって悩む必要はありません。リスクを覚悟の上で、セックスレスを乗り越えられると思うと楽。そもそも、セックスレスの状態が続けば続くほど不倫の罪悪感は薄れていきます。相手の権利は有名無実化していくわけですから、権利の侵害にはなりません。絶対にできないと考えるからつらいんです。私だって、チャンスがあればやっちゃうかもしれないと思っています(笑)。

(構成/編集部・野村昌二)

AERA 2018年5月28日号より抜粋

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野村昌二

野村昌二

ニュース週刊誌『AERA』記者。格差、貧困、マイノリティの問題を中心に、ときどきサブカルなども書いています。著書に『ぼくたちクルド人』。大切にしたのは、人が幸せに生きる権利。

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