日馬富士暴力事件の本質を見失うな 事実と異なる話が独り歩きした背景とは (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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日馬富士暴力事件の本質を見失うな 事実と異なる話が独り歩きした背景とは

岸本貞司AERA
2人はともにモンゴル出身。2016年の秋場所6日目で、貴ノ岩(右)を下した日馬富士(左) (c)朝日新聞社

2人はともにモンゴル出身。2016年の秋場所6日目で、貴ノ岩(右)を下した日馬富士(左) (c)朝日新聞社

 一方、貴乃花親方の行動も確かに不可解で、まず協会に報告するのが筋だ。しかし貴乃花親方を知る関係者に言わせれば、「協会は現役横綱の不祥事は避けたい。貴乃花は、うやむやにされたくなかった」。

 22日には協会から貴ノ岩の聴取に協力するよう要請されたが貴乃花親方は拒否。これも前出の関係者によれば、「あくまでも警察の取り調べを優先するという意思の表れ」だとか。

 兄で元横綱・若乃花との確執など、これまで色々な場面で物議を醸してきた貴乃花親方の“融通のきかない正義感”が、弟子を守ろうとして極端な形になったのかもしれない。

 24日の日刊スポーツは1面で、「(モンゴル大統領特使を務める)元朝青龍が、バトトルガ大統領に報告、大統領が安倍首相と話し合いたいと言った」との記事を掲載し、日本・モンゴル間の国際問題かのような表現だ。

 元4アナウンサーで大相撲を65年間見てきた杉山邦博氏は、ワイドショー的に話題が拡散している状況について「残念で仕方がない」と憂えている。

「この事件のせいで相撲界にはまだ暴力があるんだと思われるのが極めて残念。横綱は全ての力士の頂点に立ち、あらゆる点で手本を示すべき立場です。ことの次第がどうであれ、横綱が暴力行為に及んだのだから、厳しい批判も甘受しなければいけない。この話は、ただ、そういうことですから」

 横綱の暴力。ことの本質を見失ってはいけない。(ライター・岸本貞司)

AERA 2017年12月4日号


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