公立小中にもタブレット「1人1台」 勉強の苦手な子が変わった! (2/4) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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公立小中にもタブレット「1人1台」 勉強の苦手な子が変わった!

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編集部・石臥薫子AERA#出産と子育て#教育
三重県松阪市立三雲中 実技教科でもiPadは大活躍。美術では遠近法で描いた図を先生が電子黒板で拡大し、細部をアドバイス。体育では動画を撮ることで、体の動きを客観的に見ることができる。家庭科でも、まつり縫いや玉止めの仕方を動画で確認しながら、作業していた(撮影/関口達朗)

三重県松阪市立三雲中 
実技教科でもiPadは大活躍。美術では遠近法で描いた図を先生が電子黒板で拡大し、細部をアドバイス。体育では動画を撮ることで、体の動きを客観的に見ることができる。家庭科でも、まつり縫いや玉止めの仕方を動画で確認しながら、作業していた(撮影/関口達朗)

東京都小金井市立前原小 6年生のプログラミングの授業。松田校長は危機感をこう表現する。「親も教師も、20年前の自分たちが受けた教育を前提に考えている。必要なのは子どもたちが社会に出る20年後を見据えること。そうでなければ学校で学ぶことと社会で必要とされるスキルの間に、40年のギャップが生じる」(撮影/関口達朗)

東京都小金井市立前原小 
6年生のプログラミングの授業。松田校長は危機感をこう表現する。「親も教師も、20年前の自分たちが受けた教育を前提に考えている。必要なのは子どもたちが社会に出る20年後を見据えること。そうでなければ学校で学ぶことと社会で必要とされるスキルの間に、40年のギャップが生じる」(撮影/関口達朗)

「はい、じゃあiPadはいったん裏返しにして、プリントを見てください」

 今度は4人の班で頭を突き合わせての協働学習が始まった。それぞれの考えを出し合って、話すこと数分。再びiPadを出して、グループごとに自分たちの答えを送信。すぐに全グループの解答が電子黒板に一括表示された。先生の話や板書を受け身で「聞く」「見る」のではなく、生徒自身が「書く」「話す」機会が多いせいか、ぼんやりしている子はいない。

●これぞ新しい学びだ

 隣のクラスでは数学の授業が行われていた。担当の湊川祐也教諭は、生徒が使うiPad教材を、マックで自作しているという。教科書との最大の違いは、生徒が「体感」できることだ。例えば、空間図形は画面上で生徒が動かせるようになっており、上からや横からなど視点を変えられる。1次関数のy=ax+bのグラフであれば、aの値を指で動かすことで、グラフの傾きが変わることを体感できる。

「タブレットでは、黒板では表現できないことを表現できる。いきなり抽象から入るより、具体的なイメージから入ったほうが理解しやすい」(湊川教諭)

 三雲中では全学年、全授業でiPadを使うことにし、先生同士がうまくいったこと、いかなかったこと、新たに発見したことをすべてシェアしている。ICT活用をリーダーとして進めてきた楠本誠教務主任によると、特に導入当初は、機器を使うことばかりに目が向いてしまった。楠本教務主任自身、理科の実験では変化の瞬間が鮮明に記憶されるからと、生徒に動画を撮らせていた。しかしある時、実験の授業が、動画撮影大会になっていることに気づいた。

 本当に大事なのは、機器を使うことではなく、子どもたちにどんな力をつけさせるかだ──。教師たちの自問が始まった。

「目指す力をつけさせるのに一番有効なのが紙なら紙、ICTならICTを選べばいい。そうやって教師一人一人が自分の授業を一から見直し、再構築した。その結果、教え方が変わり、学び方が変わっていきました」


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