今回、アンケート調査に不参加だった人も含めて、「子あり」「子なし」の多種多様の意見を聞いた。一見過激な発言でも、真意を聞くと「人それぞれでいい」「お互いが認めるべき」と返ってくることがほとんど。100人いれば100通りの生き方がある。それぞれの生き方を批判しても何も生まれない。多様な生き方を受け入れることが、問題解決の第一歩だろう。(ライター・羽根田真智)

■アエラネット会員アンケート
※アエラネットを通して、今年6月に調査。97人が回答した

【子なし女性の言い分】

遺伝するだろうリスクが高いアレルギーや喘息がある。運動や食品の制限をはじめ、苦しい思いをすることが予想されるのに産めない(27歳未婚、会社員)

女としての身体の機能を100パーセント使わずに死ぬのはつらいと思ったことはある(45歳未婚、会社員)

結婚した後、男性上司から「自分の下で働いている間は子どもをつくるな。産休や育休をとるな。あれは怠慢だ」とはっきり言われた。何年か後に異動すると別の男性上司から「いい年してるくせに仕事を理由に子どもを産まない女は甘えている。社会のためにならない。許せない。旦那を連れてこい。説教してやる!」となじられた。こんな上司たちの老後を支えるために、子どもを産んで苦労して育てたいとはまったく思わない(48歳既婚)

産めるのに産まない人に対する風当たりは強い。そんなに文句があるなら、いっそ法律で子どもができてから結婚と決めてほしいくらい。産まない決断だって考えに考えぬいた末のものなのに(39歳既婚)

欲しくてもできなかったが不幸ではない。子どもで苦労したわりに寂しい老後を迎えている人も多い。いない寂しさよりいる寂しさのほうがこたえると思う(56歳既婚)

夫の社内不倫相手が出産し、現在別居・裁判中。私はもう閉経しており子どもは産めない。出産を隠して離婚を進めようとしたことが許せず裁判まで進んでしまったが、妊娠が分かった時点で正直に話して謝罪してくれていればと残念でならない。夫の子なら私も抱いて、その笑顔を見てみたいのです(50歳既婚)

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