アレルギーの食べ物あえて食べる「経口免疫療法」 小麦は8割以上成功 (2/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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アレルギーの食べ物あえて食べる「経口免疫療法」 小麦は8割以上成功

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その子に合わせた細やかな対応が必要(※イメージ)

その子に合わせた細やかな対応が必要(※イメージ)

 千葉県在住の田辺恵理子さん(38)=仮名=のひとり息子、悟くん(9)=同=は、生後半年で牛乳アレルギーと診断され、主治医の指示で乳製品の除去食を続けてきた。小学校では給食を除去対応してもらっていたが、地域のサッカークラブの合宿に参加しようとしたところ、クラブ側から「宿泊施設では細かいアレルギー対応ができないから」と断られてしまった。大粒の涙を流す悟くんの姿に、恵理子さんは胸が締めつけられた。

 悟くんは経口免疫療法に挑戦。牛乳1日5㏄から始め、1年経たずに300㏄を飲めるようになった。治療後の昨年秋、一家は観光牧場に旅行した。悟くんは、1年生の遠足ではみんなが食べるのを横目で見ていたソフトクリームを恐る恐るなめた。

「口の周りをクリームだらけにして『おいしい! 本当は遠足でも食べたかったんだ』って。あのときの笑顔は今でも忘れられません」(恵理子さん)

 今年の夏はサッカーの合宿にも参加できそうだ。

 ただし、経口免疫療法は標準治療ではなく、いくつかの病院が臨床試験として実施している研究段階。そのため増量するスピードや、入院・通院のいずれで行うかなど、やり方は病院によって異なる。今井医師は、「危険を伴う治療だという認識を持ってほしい」と強調する。アレルゲンをあえて食べさせるので、治療中は全ての段階で重篤なアナフィラキシーショックを含めた症状が誘発される可能性がある。親は常備薬も含めアレルギー反応が起きた場合の対応ができるように準備と覚悟が必要だ。


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